がん闘病中の夏峰千さんがCD制作

がん闘病中の夏峰千さんがCD制作

がんで闘病中の元タカラジェンヌ、夏峰千さん(44)=堺市西区=が、自分の歌で、闘病中の人を勇気づけたいとCDの自主制作に取り組んでいる。1年前に子宮頸(けい)がんが見つかり、死と直面した。「今の自分にできるのは歌うこと」と夏峰さん。命の尊さを歌声に込める。(中井美樹)

 夏峰さんは昭和59年に宝塚歌劇団に入団。星組に在籍し、男役で活躍した。退団後も女優としてミュージカルなどに出演。数々の舞台で活躍していた。

 がんが見つかったのは、昨年1月。治療をせず、決まっていた舞台の仕事を続けたが6月、外出中に倒れ救急車で運ばれそのまま入院した。

 抗がん剤と放射線治療の副作用で激しい吐き気に襲われ、何も食べられない。夜は夢にうなされ、苦しさに毎日泣いた。「窓の外を歩いている人が、別世界の人に思えた。健康で普通に生活できることが、どんなに素晴らしいか分かった」と振り返る。

 退院後は自宅に引きこもっていたが、年末、誘われ福祉イベントの小さな舞台に立った。男役の衣装で「ベルサイユのばら」のメドレーなどを歌った。駆けつけた患者仲間が、手を握り涙を流して喜んでくれる姿をみて「もっと歌いたい。誰かの力になりたい」という思いがわき上がった。

 そんなときに、以前FMラジオで共演していた作曲家の益田兼大朗さん(64)と再会。CDを作る計画が持ち上がり、益田さんが歌を作った。

 今月13日に、大阪市内のスタジオでレコーディングが行われた。曲は大切な人を思う気持ちを歌にした「ときめき」。舞台で鍛えた、伸びやかな張りのある歌声がスタジオに広がった。「がんになるまでは、有名になりたいとか、人と争うことばかり考えていた。けれど今は、毎日を大切にして、周囲に感謝しながら自分のできることをしたい」

 CDの制作を始めてから、周囲が驚くほど元気になった。「歌には人を勇気づける力がある。『ときめき』を多くの人に聞いてもらいたい」と話している。

 CDは4月中旬に完成予定。問い合わせは、プロジェクト千((電)072・272・3983)。

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