起き抜けの一服が肺がんのリスクを高めることが明らかに

起き抜けの一服が肺がんのリスクを高めることが明らかに

喫煙者には朝1本目のタバコを吸うまで目が覚めた気がしないという人も多いと思いますが、その起き抜けの1本が肺がんのリスクを高めているかもしれません。1日に吸うタバコの本数にかかわらず、目覚めてから1本目のタバコまでの時間が短い人では血中コチニン(肺がんリスクに関連づけられるニコチンの代謝生成物)濃度が高くなっていることが明らかになりました。

逆に言えば、完全に禁煙する気はないという人もタバコを吸うタイミングに気を遣うと健康リスクを多少軽減することができるのかもしれません。

詳細は以下から。

Smoking Soon After Waking Could Increase Your Risk Of Lung Cancer

Penn State College of Medicine(ペンシルベニア州立大学医学部)の公衆衛生科学の教授Joshua E Muscat博士らによるこの研究はCancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌12月号に発表されました。

「コチニン濃度は肺がんリスクの指標となることから、起床直後にタバコを吸う人は特に高い肺がんのリスクにさらされていることが今回の研究結果により示唆されます」とMuscat教授。「これらの人々はほかの喫煙者よりもさらに、禁煙の手助けとなるような集中的介入を必要とするかもしれません」

血中コチニン濃度は喫煙によりどれほどニコチンが吸収されたかの指標となります。1本のタバコによるコチニン濃度の変化は、吸うたびに異なることが過去の研究からすでに明らかになっています。そこでMuscat教授らは「タバコを吸う頻度のほかにも、起床後に1本目を吸うまでの時間など、ニコチン依存による行動・習慣でコチニン濃度に影響するファクターとなっているものがあるのではないか」と仮説を立てました。それらの行動・習慣は健康への影響のほかに、禁煙成功率にもかかわってくる可能性があります。

研究では252人の黒人・白人の健康な地域社会に適合した喫煙者に協力してもらい、喫煙衝動を反映するとされる各種の行動を調査し、血漿(けっしょう)と尿のコチニン濃度を検査しました。その結果は以下のとおり。

■コチニンの血漿濃度は、同じ1日1箱ペースの喫煙者でも1mlあたり16~1180ng(ナノグラム)と最大74倍の違いが見られた。

■喫煙者のニコチン依存度は「低」と「高」に分類できる。

■「低」依存度の喫煙者は起床後30分以上経過してから1本目のタバコを吸い、1日の本数はほぼ全員が20本以下であった。

■「低」依存度の被験者では1日のタバコの本数に比例してコチニン濃度が上昇した。

■「高」依存度の喫煙者は起床後30分以内に1本目のタバコを吸い、1日の本数は6本~70本と幅広い。

■「高」依存度の被験者では「低」依存度の被験者と比べコチニン濃度は本数に影響されにくく、ヘヴィースモーカー(1日30本以上)ではプラトー効果(上げ止まり)が見られた。

■1日の本数について補正すると、起床後1本目のタバコまでの時間が長いほど血漿のコチニン濃度は低くなる:

・起床後5分以内では437ng/mL(95%信頼区間 380-494)

・6~30分では352ng/mL(95%信頼区間 291-413)

・31~60分では229ng/mL(95%信頼区間 140-317)

・60分超では215ng/mL(95%信頼区間 110-321)

■尿のコチニン濃度でも同様の傾向が見られた。

朝起きてから1本目のタバコを吸うまでの時間はニコチン摂取量の強力な指標となり、禁煙プログラムなどではこれらを考慮する必要がある、と研究者らは提案しています。

「喫煙者を皆ひとくくりにすることはできません。減煙へのアプローチは、煙を吸い込む勢いや頻度、喫煙衝動とそれによる生理学的症状など、個々の喫煙習慣を考慮する必要があります」とMuscat教授。「起床直後に1本目を吸う喫煙者のコチニン濃度がなぜ高いのかはまだ解明されていませんが、起床直後にタバコを欲するという行動は、より集中的な喫煙パターンを反映しているのかもしれません。さらなる研究が必要です」

Muscat教授らは現在、コチニン以外のニコチンの代謝生成物の濃度も起床後1本目のタバコまでの時間に影響されるかを調査中とのことです。

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