遺伝子の動き抑制法を開発 京大、がん治療やiPS臓器作成に道

遺伝子の動き抑制法を開発 京大、がん治療やiPS臓器作成に道

人の細胞にある遺伝子の働きを抑制する方法を、京都大学大学院生命科学研究科の井上丹教授(遺伝子動態学)や齊藤博英助教(同)らの研究チームが世界で初めて開発し、14日付(日本時間)の英科学誌「ネイチャー・ケミカル・バイオロジー」(電子版)に掲載された。がん遺伝子の働きを抑える新しいがん治療法の実用に一歩近づいたほか、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の遺伝子の働きをコントロールすることで、自由に臓器をつくり分けられる可能性が出てきた。

 研究チームは、細胞に転写した遺伝子が、細胞内の酵素「リボソーム」と結びつきタンパク質に変化して初めて遺伝子としての能力を発揮することに着目。遺伝子がタンパク質に変わる途中で、変化を阻害する方法を人の細胞を使って研究した。

 その結果、変化を阻害する働きがある人工的に作りだしたタンパク質「L7Ae」を遺伝子に加えることで、タンパク質への変化が約90%抑えられることが判明した。

 研究チームは「現段階では、L7Aeが人の体に完全に安全かどうか分からないのが課題」とした上で「今後、さらに安全性が高い人工タンパク質を作製していくことが求められる」としている。

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