がん検診、中国セレブにPR 観光つき160万円から

がん検診、中国セレブにPR 観光つき160万円から

中国富裕層など海外に日本のがん検診を売り込もうと、各地が熱い。先行する検診ツアーは旅費100万円を軽く超す豪華版だ。売り物は全身を一度に診る陽電子放射断層撮影(PET)。PETは以前に検診ブームで急増したが、今は経営難に陥っている施設も少なくない。

 日本旅行は今年3月、大阪市にある医療法人聖樹会と提携、中国富裕層向け検診ツアーを始めた。3泊4日観光付きで、料金は最低でも約160万円。検診はPETに各手法を加え40万~60万円相当。宿泊は超高級ホテルのスイートで移動はリムジン。11月までに約30人が受診した。

 「滑り出しは上々。最先端技術で健康が確認できたと、ご満足いただいています」と担当者。現地営業は北京の企業が担当。検診客を数年で年間300人にできるとする。

 長崎市では、市と地元旅行業者や長崎大が協力し、検診客を呼び込む計画を進めている。まとめ役の小沢寛樹・長崎大教授は「中国のテレビで東南アジアへの医療ツアーの宣伝を見た。日本にも呼べるはず」という。今月は上海で、受け入れる病院長や市職員が説明会を開催。1月にツアーを開始する。

 経済産業省は外国からの検診ツアー実施に意欲のある病院や旅行業者を募集。「ツアーの実証事業」として参加者の経費の一部を国費で負担、年内にも始めてもらう。

 先行する日本旅行には、各地の病院や自治体から「中国の検診客を呼びたい」と相談が相次いでいる。

 PET検診には弱点もあるが、他の手法では難しいがんも見つかると2000年代前半にブームに。運営経費が年間数億円もするのに、施設は急増し今は250カ所を超える。装置を複数持つ施設も多い。

 川渕孝一・東京医科歯科大教授の試算では、10年に国内の保険診療に必要なPETは200台前後で、過剰気味だ。検診も05年ごろから受診数が伸び悩んでいる。

 聖樹会の山村晃之事務次長は「大阪は激戦区でウチもPETの収支は赤字。中国のツアーで少しでも受診が増えるのはありがたい」と言う。

 毎月、数十人が海外から治療に訪れる千葉県鴨川市の亀田メディカルセンターは02年に外国人対応の部署を設置。今夏、国内初の国際病院評価機構の認証を取得した。亀田隆明理事長は「外国からも選ばれる一流の医療を日本に、と努力してきた。アジアの医療の進歩は急速で、PETだけで検診客を呼び続けられるほど甘くない」と指摘する。

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