亀人形がん不安軽く 鯖江の水引細工職人配

亀人形がん不安軽く 鯖江の水引細工職人配

かわいい亀で前向きな気持ちになって―。福井県鯖江市有定町2丁目の水引細工職人、東野照子さん(73)は、病気の不安を紛らすために作り続けている亀の人形を、無料で配っている。作り始めてから意欲的になれたことで「周囲の人にも元気を与えたい」という思いを込めている。

 東野さんは昨年8月、こう頭がんが見つかったが、声を失う恐れがあるということで手術は断った。亀の人形を作り始めたのは今年10月上旬。明るく振る舞っていたものの不安は大きく、店を引き継いでくれるという娘への指導時に偶然、テレビで見たウミガメのかわいらしさに心を奪われた。

 人形は体長10~20センチで、赤や青、緑など色彩豊か。産卵や泳ぐ様子のほか、人に見立ててサーフィンをしたり、カメラを構えたりなど、さまざまな動きをしたものを作った。

 制作中は不安な気持ちが和らぎ、不思議なことに徐々に食欲も旺盛になり、大きな声が出るようになるなど娘からも驚かれるほど元気になった。作り始めてから受けた病院の定期検査では、進んでいたがんの進行が一時的だが、止まっているとも言われたという。

 インターネットで亀を調べると、幸運や健康などをもたらす縁起物であることが分かり、娘と2人で「亀の人形のおかげかな」と顔を見合わせた。今は1日12、13個ペースで、ストラップを付けた5センチ程度の人形を作り、店に訪れた人や欲しいという人にあげている。

 15歳から水引細工を始めた東野さんは既に引退を決めており、ここまで支えてくれた人への感謝も込め、これからも亀人形を作り続けていくという。「気休め程度なのは分かっている。ただ自分みたいに病気や悩みがあっても亀のように、少しでもいいから前進していくという気持ちを持って明るい生活を送ってもらえたらうれしい」と話している。亀人形が欲しい人は東野さん=電話0778(51)5985=まで。

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