成人T細胞白血病/リンパ腫 遺伝子異常で発症

成人T細胞白血病/リンパ腫 遺伝子異常で発症

 潜伏期間が長く、治療が難しい「成人T細胞白血病/リンパ腫」(ATLL)が、リンパ球内の遺伝子群が異常をきたすことで発症することを、岡山大大学院医歯薬学総合研究科の岡剛史助教(分子病理学)と同保健学研究科の佐藤妃映助教(病理学)らの研究グループが突き止めた。不明だった発症メカニズムの一部の解明は、新治療法の開発につながる可能性があり、米専門誌(電子版)に掲載された。

 ATLLの原因ウイルス・HTLV―1がリンパ球に感染すると、40~60年の潜伏期間を経て数千人に1人の割合で発症。治療が難しく、発症後1年以内に死亡することもある。感染ルートは輸血や母乳を介した母子間などで、国内には潜伏状態の保菌者が多くいるとみられる。

 佐藤助教らは発症者55人、保菌者10人、健常者16人の計81人のリンパ球から、がん抑制やDNA修復に関連したり、細胞増殖などを担う8種類の遺伝子を取り出して解析。発症者は正常な機能を阻害するメチル化と呼ばれる現象が、複数の遺伝子で健常者の数倍の頻度で起きていることを確認した。

 グループは、悪性リンパ腫などの疾患発症に遺伝子異常が関与していることに着目。ATLLでも同様のメカニズムがあると想定し、数年前から研究を始めていた。

 佐藤助教は「今回の成果を基に、発症予測などの研究に取り組んでいる。新たな治療法の早期確立につなげたい」としている

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