ロボット手術で失禁改善 前立腺がん患者の75% 金大附属病院泌尿器科

ロボット手術で失禁改善 前立腺がん患者の75% 金大附属病院泌尿器科

金大附属病院泌尿器科が取り組むロボットを使った前立腺がん手術で、従来の開腹手術後に患者が悩まされていた尿失禁の症状が、75%の患者で改善されたことが分かった。微細な操作が可能なロボットは、前立腺の周囲の筋肉や神経を損傷することが少ないためで、術中の出血量も減少するなど患者の負担が軽減された。国内で前立腺がん患者が急増する中、同科ではメリットの大きい治療法としてさらに技術を確立する考えだ。
 金大附属病院は今年3月に前立腺がんのロボット手術を導入、これまで16人に施した。術後3カ月のデータをとった12人のうち9人の患者で尿失禁が回復し、従来の開腹手術と比較して倍以上の効果が上がった。

 出血量は開腹手術の平均約1千ccに対し、400cc前後まで抑えられた。傷が小さく、手術翌日には歩行可能で、患者の負担は格段に軽くなった。

 同病院では遠隔操作手術用ロボット「ダヴィンチ」を使用。へその横や両脇腹に5~8ミリの穴を5カ所、1~2センチの穴を1カ所開け、そこから先端が鉗子(かんし)やメスになったアーム、内視鏡カメラなどを挿入して前立腺を摘出する。

 同科の角野佳史助教によると、3次元の立体画像を拡大視野で見ることができ、アームの自在度も高いため、細かい手術操作が可能という。

 前立腺がんの患者数は1975(昭和50)年は2千人だったが、2000年には約2万3千人と急増。20年には男性のがんのうち、肺がんに次いで罹患(りかん)数が2位になると予測されている。

 ロボット手術は先端的医療に対して保険診療との併用を認める「高度医療」に認定され、国内では金大附属病院のほか、東京医科大病院、九大附属病院で実施している。

 並木幹夫教授は「欧米では前立腺全摘術の過半数がロボットで、韓国などアジア諸国でも盛んに行われている。安全性、治療成績が良好であることが確認されたので、日本でも早く保険診療として認められることを期待している」と話した。

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