陽子線がん施設を一転建設 12年度から診療

陽子線がん施設を一転建設 12年度から診療

河村たかし名古屋市長は31日、建設を凍結していた「陽子線がん治療施設」の事業を継続し、2012年度に診療を始めることを決めた。本年度中に着工する見通し。地域の医療機関との連携や外部評価制度を導入し、財政負担の軽減を目指す。

 陽子線は頭頸(とうけい)部や前立腺、肝臓などのがん治療に適し、副作用が少ないとされる。働きながら通院で治療(照射)できることも特徴。福井県、静岡県などの既存7施設と異なり、都心の立地となる。

 市は当初、「開業8年目で患者は年800人、市の赤字は年1億円弱」と試算。昨年4月に就任した河村市長は自ら調査し、患者は年400人、赤字は年7億円弱に上るとして建設を凍結したが、東海3県に陽子線施設はなく、患者や議会から建設要望が相次いでいた。

 河村市長は、愛知県がんセンターなどの拠点病院や東海地方で医学部のある名古屋大など7大学との連携を進める方針。陽子線がん治療施設への患者の紹介や放射線技師の派遣を求め、患者数や医療体制を安定確保することで財政負担を軽減する。東海3県にも財政支援を求める。治療効果や診療の採算性を検証する「外部評価委員会」を立ち上げ毎年度、市長に報告する。

 また、市のがん検診(胃、大腸、子宮、乳、肺)で現行500~2900円の自己負担を500円に統一。前立腺がん検査も加える。「ワンコインで受診できる」とPRし、予防医療の充実も図る。

 河村市長は「市の当初見込みは甘かったが、期待する患者がいる。日本一がんにかからない街を目指したい」と話している。

 <陽子線がん治療施設> 放射線治療の一種。現在は保険適用されておらず、300万円近い照射費用は自己負担。名古屋市は09年11月、複合医療施設「クオリティライフ21城北」(同市北区平手町)内に着工予定だったが、河村市長は同年9月、必要性や採算性に疑問があるとして、凍結を表明した。

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