河村市長「凍結」一転「建設」 陽子線がん施設を予算化

河村市長「凍結」一転「建設」 陽子線がん施設を予算化

名古屋市の河村たかし市長は1日、建設の凍結を表明していた陽子線がん治療施設について「中止すると50億円の損害賠償になる可能性があり、市民の負担が増える」として、施設を建設する方針を表明した。建設費を新年度予算案に計上する見通し。今年度中にも着工し、2012年度に診療を始める予定という。

 河村市長はこの日、報道陣に対し、施設建設を進める方針を示したうえで、約234億円に上る建設費用について、「名古屋の市民税だけでやるのはどうかと思う」として愛知、岐阜、三重の3県にも財政支援を要請する考えを明らかにした。

 陽子線がん治療施設は松原武久・前市長の肝いりで進められ、入札で業者が落札していたが、昨年4月に就任した河村市長が9月、「医療に使うなら他にもっと良い使い道がある」と建設凍結を表明していた。

 しかし、凍結表明後の10月、専門家や市民を招いて開いた公開討論会では建設推進を求める声がほとんどだった。また、11月にはがん患者団体が、建設推進を求める7万人分の署名を河村市長あてに提出するなど、反発の動きが強まっていた。さらに、業者がすでに施設の建設を始めていたため、事業をやめた場合、市が損害賠償を請求される可能性が高いことなどから、河村市長が凍結方針を撤回させたとみられる。

 河村市長は、市のがん検診について、従来の胃、大腸、肺、子宮、乳がんに、前立腺がんも検診対象に加えたうえで、検診料を一律500円に値下げするための予算を新年度に盛り込み、がん予防の充実を図る方針を示した。

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