がん検診で中国人客誘致 長崎市など「メディカル・ツーリズム計画」

がん検診で中国人客誘致 長崎市など「メディカル・ツーリズム計画」

経済成長を続ける中国をターゲットに、がん検診を目玉に観光客を誘致するメディカル・ツーリズム(医療観光)の実証実験を、長崎市や旅行業者などが計画している。本県の豊富な観光資源と医療資源を組み合わせた新規産業創出の可能性を探るのが狙い。今月末、上海市から西諫早病院(諫早市貝津町)の「PET/CT画像診断センター」にモニターツアーを招いて課題を検証、新年度から民間主導で事業化を目指す。

 将来的には検診から治療、保養まで一貫した医療・観光ネットワークの構築を構想。本県だけでなく九州全体に波及するプロジェクトともなりそうだ。

 実証実験に向けて昨年、メンタルヘルス事業を手掛ける長崎市の企業「アンド・メンタル」を中心に、同市や長崎国際観光コンベンション協会、旅行代理店の日中悠友旅行などが「ナガサキ・ウェルネス・ポート協議会」(会長・小澤寛樹長崎大教授)を設立。国の「地方の元気再生事業」の本年度支援対象にも選ばれた。

 モニターツアーは中国東方航空の長崎上海便を利用し、29日から3泊4日で雲仙市や長崎市を訪問。2日目に予定する西諫早病院のPET/CTは、陽電子放射断層撮影(PET)とコンピューター断層撮影(CT)を併用して全身を調べ、がんの大きさや正確な位置を見つけられるのが特徴。結果はその場で中国人医師の通訳で説明する。

 10人程度を受け入れる予定で、上海市の旅行代理店が参加者を募集中。小澤会長は「地理的に近いというメリットに加え、これまで培った中国人医師らの人脈を生かせるのが強み。上海にもPET施設はあるが、日本の医療への信頼性は高く、医療旅行の需要はある」と話す。

 今回検診を受け入れる西諫早病院の千葉憲哉院長は「治療・保養まで含めたネットワークができれば、長期滞在型観光の振興に生かせ、ハウステンボスなどの支援にもつながる」と提言。長崎市企画財政部の高比良実理事は「長崎の医療レベルを国際水準に引き上げる狙いもある。日本への医療旅行の窓口を長崎で担えるようノウハウを蓄積したい」としている。

 中国では経済成長の一方で大気汚染や食の安全の問題などが広がり、健康に対する意識が向上。海外で質の高い医療を受ける富裕層が増えており、シンガポールやタイなどは政府主導で誘致活動を推進している。経済産業省も昨年から本格的に研究を始め、事業化のガイドラインを作成した。

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