3人に1人のがん進行抑制 信大付属病院、新療法で成果

3人に1人のがん進行抑制 信大付属病院、新療法で成果

信州大付属病院(長野県松本市)が、手術などでは治療が難しいがん患者を対象に、免疫細胞の司令塔とされる「樹状細胞」を使った新たな免疫療法を施したところ、3人に1人の割合でがんの進行が抑制されたことが分かった。副作用も少なく、同病院分子細胞診療室の下平滋隆室長は「がんの標準的な治療法にしたい」と話している。

 がん治療は手術、抗がん剤などの化学、放射線の3つを組み合わせた療法が基本だが体への負担や副作用が懸念される欠点がある。

 同病院は2008年11月から、症状が進行し他の治療が難しい患者に樹状細胞療法を実施。10代から70代の男女30人に施した結果、10人程度にがんの縮小や進行を抑えるなどの効果が見られた。胃がんの50代男性、卵巣がんの50代女性の2人からはがん細胞が完全になくなったという。

 ただ、この治療法は実績が少なく公的医療保険が適用されないため、患者の費用負担が重いのが課題。同病院は治療効果を証明するデータなどをまとめ、保険適用が認められるようにしたい考えだ。

  樹状細胞療法  樹状細胞は人間の体を病原菌などの外敵から守る免疫細胞の一種。がん治療では患者の体内から樹状細胞を取り出し、がん組織をそれに与えたり、がんの目印を人工的に持たせたりしてがん細胞を外敵と認識させる。その後体内に戻すと樹状細胞はほかの免疫細胞に指示を出し、がん細胞を攻撃させる。

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