県陽子線がんセンター建設大詰め 来年3月治療開始へ

県陽子線がんセンター建設大詰め 来年3月治療開始へ

 福井県が福井市の県立病院敷地内に整備する「県陽子線がん治療センター(仮称)」の建設工事は、主要機器の据え付けなど最終段階に入っている。外観や内装の仕上げを含めて作業は1月末までにすべて終わり、検査を受けて3月末に完成の見込み。4月からは治療装置の一部を稼働させ、陽子線の量やエネルギーなどの調整に入る。2011年3月の治療開始を目指す。

 同センターは地上3階、地下1階で、敷地面積は約3700平方メートル、延べ床面積は約5900平方メートル。総事業費は約100億円。

 1階部分が治療・診察エリアとなる。広さ516平方メートルの加速器室には11月半ばまでに、陽子線を光速の70%程度まで加速させる「シンクロトロン」が据え付けられ、現在はケーブル接続などの作業中だ。1周約20メートルの円形状で、重さは約20トンある。

 体の周囲の360度から陽子線が照射できる「回転ガントリー」2基は、12月中に診療室2室への搬入を終えた。回転ガントリーの本体は重さ約170トンで、高さ約20メートル。一般的なマンションの4階に当たるという。このほか、水平方向だけの装置の診療室を1室設ける。

 回転式の1基に、患部の形状に応じて照射範囲や深さを変える「積層原体照射システム」を導入し、陽子線がん治療施設としては世界で初めてとなる。また、照射位置をコンピューター断層撮影装置(CT)を使って自動で決めるシステムを取り入れ、高精度で副作用の少ない治療を目指す。

 陽子線の調整が順調に進めば、秋をめどに放射線量や安全装置の機能などについて文部科学省の検査を受ける予定。

 県は治療開始後、年間200人以上の利用を目指しており、本年度だけで延べ68回、約4560人を対象に出前講座などを行ってきた。また、大手の生保、損保16社と連携協定を結び、同センターや陽子線治療のPRに努めている。

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