福井で建設進む陽子線がん治療施設 気になる治療費は数百万円

福井で建設進む陽子線がん治療施設 気になる治療費は数百万円

越前和紙や眼鏡フレームの加工など、地場産業に取り入れられている原子力の技術。その中でも、陽子線がん治療は、がん治療の先端として注目を集めている。県立病院(福井市四ツ井)の敷地内で2011年4月のオープンを目指して建設が進む県陽子線がん治療施設(仮称)を訪ねた。

 陽子線がん治療は、原子力発電で培った加速器の開発技術を使っている。エックス線治療に比べ、体内の深部でも照射能力が落ちないのが特長。陽子ががん細胞に向かって進むスピードは秒速20万キロ。集中して照射し、周囲の細胞を傷つけることも少ない。

 施設は病院の北側に位置する。地上3階、地下1階、延べ5900平方メートル。先端技術と聞いていたせいか、地上何10メートルにもそびえる建物を想像していただけに「こぢんまりだな」という印象を受けた。

 だが、ひとたび足を踏み入れると、設備は驚くほど大きい。水素の原子核の陽子を加速する「シンクロトロン」という円形の加速器の直径は約6メートル。照射機器の回転ガントリーは直径10メートル、奥行き10メートルの筒状で、重さは170トンだ。

 治療法は、ベッドに寝た患者が回転する水平照射と、機材が回転し、人はベッドに寝たまま治療を受けるガントリー照射の2種類。治療時間はいずれも1回数分程度。痛みを感じることはなく、仕事の休憩時間に治療することも可能だ。

 ただ、一部医師からは「食道や口内のがんには効くが、肝臓などすべてに効くかどうかは不明」との指摘もあるという。

 気になる治療費は、保険の適用外のため200万~300万円ほどと“超高額”。陽子線がん治療は、ただちに「庶民の味方」とはならないようだ。

 県は同様の治療を実施する兵庫県などと国に保険の適用を要請しているが、「見通しは立っていないのが現状」(梅田武彦・建設準備室長)という。

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