NHK「二本の木」9日放送 がんと闘う“夫婦のきずな”

NHK「二本の木」9日放送 がんと闘う“夫婦のきずな”

平成19年12月に胃がんでこの世を去った元NHKディレクターと、やはりがんに冒されていた妻との闘病の記録がドキュメンタリーになり、9日にNHK総合テレビで放送される。「二本の木」(午後9時)と題した作品で、元同僚らが夫婦のきずなに感動して制作した。(三宅陽子)

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 この元ディレクターは小沢爽(そう)さん(享年71)。昭和35年、NHKに入局し、在職中は「現代の肖像」「NHKスペシャル」などのディレクターとしてドキュメンタリー畑を歩んできた。

 小沢さんが妻の千緒さん(享年65)と出会ったのは、入局間もない北海道北見放送局時代。結婚後は、友人も認めるおしどり夫婦となった。

 千緒さんの小細胞がんが発覚したのは、小沢さんの定年退職後のことだ。献身的に介護を続けたが、言葉にできない切ない思いや戸惑い、苦悩を日記につづるようになった。

 そんなある日、自身の胃がんが発覚。今度は千緒さんを“戦友”として励ましながらの生活となったが、間もなく平成19年5月に千緒さんは他界する。その後、自身がつづってきた日記と千緒さんが記した闘病日記を、2人が懸命に生きた証しとして一冊の本にまとめ、自費出版した。
 本はごく親しい人たちに贈呈されたが、小沢さんの死後、後輩に当たるNHKエンタープライズ制作本部の須磨章さんの手に渡り、ドキュメンタリー化が決まった。須磨さんは「好きだとか愛するという言葉を通り越して、パートナーとしての強いきずなを小沢夫婦に感じました。ごく普通の日記であるけれども、番組にすべきだと思った」と振り返る。構成、演出は、小沢さんの先輩のベテランディレクター、岡崎栄さんに依頼した。

 作品では、2人がつづった日記の世界が忠実に再現された。小沢さんの日記は片岡仁左衛門、千緒さんの日記は竹下景子に朗読してもらうことで、闘病生活を回想していく構成だ。再現映像の中には、家族が撮影した写真やビデオ映像もふんだんに使われた。

 12月中旬にNHK局内で開かれた試写会には、小沢さんの2人の息子の姿もあった。この日、初めて作品を見たという長男の小沢北太郎さんは、「決して特別な話ではないけれど、父と母が自分たちの気持ちを正直につづったものがこういう形になってよかった」と話していた。

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