抗がん剤「ブレオマイシン」の副作用防ぐ仕組み解明…広大チーム

抗がん剤「ブレオマイシン」の副作用防ぐ仕組み解明…広大チーム

肺に深刻な副作用を起こす抗がん剤「ブレオマイシン」の働きを妨ぐ酵素の仕組みを、広島大の杉山政則教授らが解明した。酵素の構造を調べるため、地球上では得られない高純度なたんぱく質の結晶を国際宇宙ステーション(ISS)で作製。宇宙実験が成果につながった。抗がん剤の働きを酵素でコントロールできれば、副作用の少ないがん治療が期待できるという。

 ブレオマイシンは、がん細胞のDNAを切断する働きがあり、食道がんなど広く治療に使われている。しかし、肺に蓄積されやすく、正常な細胞のDNAも切断するため、間質性肺炎を引き起こす副作用がある。

 酵素は、杉山教授が1994年に発見、BATと名付けた。ブレオマイシンとともに放線菌で作られる。研究チームは、無重力下で不純物の少ない質の高い結晶ができるISSでBATの結晶を作り、大型放射光施設「スプリング8」で立体構造を解明。BATはブレオマイシンをつかまえて、自分が蓄えている有機化合物に反応させてDNA切断機能を失わせていた。

 杉山教授は「構造がわかったので、ブレオマイシンの働きを調節する薬の開発につながる」と話している。

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