がん悪性化の仕組み解明

がん悪性化の仕組み解明

山下・群大教授ら 新治療法開発に活路
 がん細胞の変異が促進されて悪性化する新たな仕組みを群馬大学などの研究グループが明らかにした。14日(現地時間)の米科学誌「モレキュラー・セル」電子版に発表した。DNAの複製にかかわり、変異を起こしやすい酵素が、特定のたんぱくによって活発化しているという。

 大阪大、名古屋大との共同研究グループ代表の山下孝之・群馬大教授(54)(腫瘍(しゅよう)学)によると、がんが悪性化したり、抗がん剤などが効きにくくなったりする現象は主に、がん細胞の遺伝子が次々に変異を起こし、生存能力の強い変異体が現れるために起こる。

 ただ、この仕組みには不明な点も多い。

 今回、研究グループは、がん細胞で変異を起こしやすいDNA複製酵素「Y―ファミリー・ポリメラーゼ」の一つ「イータ」に着目。この酵素が、細胞の生存や増殖に重要なたんぱくの働きを調節する「Hsp90」という分子の助けで活発化し、がんを悪性化させるという仕組みを突き止めた。

 山下教授は、がん細胞の悪性化を抑制する道筋が見い出せたとして「がんを直接攻撃する従来の治療法とは異なる、新たな治療開発につながる」と期待している。

 今回の研究は、研究グループが実験用に培養したがん細胞を使い、紫外線でDNAを損傷させるなどの手法により、4年ほどで成果を出した。

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