子宮がん予防 ワクチンと検診の両輪で

子宮がん予防 ワクチンと検診の両輪で

ワクチンでがんを予防できる。それも若い女性に増えているがんを、だ。朗報である。

 厚生労働省が、子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)を防ぐワクチンを初めて承認した。昨年末から一部の医療機関で接種が受けられるようになっている。

 このこと自体、あまり知られていない。さらに、肝心の頸がん検診は受診率が低迷している。

 厚労省は情報提供に力を入れるべきだ。ワクチン解禁をバネに、予防接種と検診を普及させ、効果的にがん対策を進めたい。

 子宮頸がんは、子宮の入り口付近にできる。HPVの感染は主に性交渉を通じて起きる。

 特別なウイルスではない。ほとんどの女性が、一生に1度は感染するとされている。多くの場合は免疫力などで治るものの、一部ががんに進行する。

 心配なのは、近年、若い年代の発症が増えていることだ。20代と30代の女性がかかるがんのトップを占める。発見が遅れれば命にかかわる。国内で年間3千人以上が亡くなっているとみられる。

 感染前にワクチンを接種すれば発がん性のある約15種類のHPVのうち、頸がんの原因の大半を占める2種類の感染を長い期間防げる。日本産科婦人科学会などは、10代前半を中心に45歳までの女性に接種を勧めている。

 ネックは費用が高額なことだ。希望者の任意接種のため、計3回の接種に合計で4万~6万円ほどの自己負担が必要になる。

 自治体に公費助成の動きがある。新潟県魚沼市は来年度、10代前半の女性に接種費用の全額を助成する方針だ。子どもたちの未来の安心のための施策という。

 厚労省内の検討はこれからだ。海外ではおよそ30カ国で公的支援をしている。接種の機会が広がるよう工夫を求めたい。

 忘れてならないのは、予防の基本は検診にあるということだ。ワクチンはリスクを減らせるけれど、万能ではない。

 検診を定期的に受けていれば、がんになる前に異常を発見し、治療ができる。子宮を残して妊娠や出産も望める。

 受診率は全国で2割ほど。長野県内は16%に満たない。受診率を上げる取り組みが欠かせない。

 頸がん検診の対象は20歳以上だ。忙しい年代だし、内診に抵抗がある女性も少なくない。でも、予防と早期発見ができるがんである。本人はもちろん、周りの家族からも検診を勧めてほしい。

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