阿覧 勝ち越し王手 口腔がん乗り越えV争い

阿覧 勝ち越し王手 口腔がん乗り越えV争い

◇大相撲初場所 9日目(18日・両国国技館)
 両横綱が1敗をキープ。白鵬(24)=宮城野部屋=は垣添を危なげなく寄り切り、朝青龍(29)=高砂部屋=は稀勢の里を切り返しで下した。関脇把瑠都(25)=尾上部屋=は大関琴欧洲を豪快に寄り倒し、1敗を守って勝ち越した。琴欧洲は7勝2敗。平幕の阿覧(25)=三保ケ関部屋=は玉乃島を下し2敗をキープ。ほかの大関陣は日馬富士が豪風を寄り切って7勝目。魁皇は北勝力を寄り切って、3連勝で5勝4敗とした。

 玉乃島の右腕を手繰ると、阿覧はすかさず背後についた。流れるような動きで送り出し。勝ち越しに王手をかける7勝目で、優勝争いにも名乗りを上げた。

 取組後の阿覧は「よかったね。(勝った)7番は全部いい。まずあと1番」。穏やかな笑みを浮かべたが、その笑みの裏には大きな苦難を乗り越えてきた1年が隠されていた。

 2008年12月。口の中に違和感を感じて病院で診察を受けた。結果は最悪だった。左ほおの内側部分にできていたのは3センチほどの悪性腫瘍(しゅよう)。口腔(こうくう)がんだった。

 すぐに手術。「先生に手術したら大丈夫って言われた。なったのはしょうがない」。そう自分に言い聞かせたが、命にかかわる病気。不安の日々を過ごした。

 手術で口の中に空いた穴に、股間の肉を移植した。「2週間ご飯食べられなかった。ずっと鼻から(流動食)。7キロくらい体重が減った」。それでも昨年の初場所に強行出場。結果は5勝に終わったが、休場しなかったことで精神的にも強さを増した。

 138キロまで落ちた体重も、今場所は156キロまで増えた。昨年の初場所後に、これまで支えてきてくれていたマリーナさん(22)との結婚を発表した。

 今でも「2カ月か3カ月に1回、チェックをしてる」と定期健診は欠かせないが、「子どもが大きくなるまで相撲を取り続けたい。名前はサルマッツ」。命の大切さを知った阿覧は今年の2月に男の子のパパになる。

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