阿覧が会心劇…がん克服の精神力で賜杯争

阿覧が会心劇…がん克服の精神力で賜杯争

「大相撲初場所9日目」(18日、両国国技館)

 西前頭10枚目の阿覧が、玉乃島を送り出して7勝目を挙げた。一昨年12月に発症した口腔(こうくう)がんを克服し、トップに1差の2敗を堅持して、勝ち越しに王手をかけた。白鵬、朝青龍の両横綱は1敗を守り、関脇把瑠都を含めて1敗は3人となった。

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 足が自然と前に出た。立ち合いの突き合いから、阿覧は強引に玉乃島の右腕をたぐった。たまらず玉乃島の体が反転。一瞬のスキを逃さず、背中を突いて送り出した。「うまくいったよ。よく見えている。勝った7番は全部いいよ」。会心の相撲に思わず笑みがこぼれた。

 一昨年の12月、口腔がんが発覚した。左ほおの内側に約3センチほどの腫瘍ができ、すぐに手術を受けた。左足付け根の肉を切り取り、口内に移植。手術は成功したものの、2週間の入院生活で体重は7キロ落ちた。精神的負担は大きく、退院後も体重は落ち続けた。

 昨年の初場所では通常時から20キロ減の138キロだった。体重を戻すため、連日、250キロのベンチプレスで筋力アップに励んだ。筋トレの成果は徐々に表れ、春場所では145キロまで戻り、今場所は最盛時と同じ156キロまでになった。完治した現在も2カ月に1度、通院して検査を受け、再発防止に細心の注意を払っている。

 2月には待望の長男が誕生する予定で、名前はサルマッツに決まっている。「病院の先生は手術したから大丈夫だと言ってくれた。だから不安はない。勝ち越しまであと1番。まずは勝ち越し」。優勝争いではトップと1差の2敗。がんを克服した精神力で、夢の賜杯を目指していく。

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