がん、脳出血越え個展 吉野ケ里駅で紙の透かし彫り展

がん、脳出血越え個展 吉野ケ里駅で紙の透かし彫り展

がんや脳出血に見舞われながらも気力で乗り越え、リハビリの一つとして、紙の”透かし彫り”に取り組んできた吉野ヶ里町豆田の松田徹さん(67)が20日から1カ月間、初めての作品展をJR吉野ケ里公園駅のコミュニティーホールで開く。数カ月かかった作品をはじめ、65点を並べる。松田さんは「同じような障害を持つ人たちの励みになれば」と話している。

 松田さんは2005年、前立腺がんと診断され、手術を受けた。3年後の08年春、今度は脳出血で倒れ、左半身が不自由になった。「二重の苦しみで希望を失った」と松田さん。だが、病院スタッフに励まされ、リハビリに努めた。

 その中で始めたのが切り紙だった。最初は紙に書かれた線に沿ってナイフで切る作業。慣れてくると、折った紙に描いた模様を切り、幾何学的な作品に仕上げた。もともと水彩画や写真が好きで、物足りなさを感じ始めたころ、着物の形染めに使う「伊勢形紙」を思い出した。

 松田さんは若い時、三重県鈴鹿市で暮らしていた。佐賀への帰郷を決めた34年前、懇意にしていた伊勢形紙の彫り師から作品をもらった。昨夏、たんすの中を探すと、その形紙が見つかった。縁を感じ、紙の”透かし彫り”への挑戦を始めた。

 透かし彫りは松田さんが名付けたもので、簡単に言えば図柄が描かれた紙をナイフで切り抜き、黒い台紙に裏返しにして張る。1、2ミリの細さの線を切るため失敗も多かったが、その分、絵筆とは違う趣を感じさせる。

 退院時、看護師からもらった「元気があれば道も開く」の手紙が支えになったという松田さん。「助かった命。体が動く限り、少しでもいい作品が作れるよう努力したい」と話した。

トラックバック&コメント

この記事のトラックバックURL:

まだトラックバック、コメントがありません。


Dr.中川のがんから死生をみつめる:/40 「絶対時間」の存在 »
« がん患者への相談支援の在り方でシンポ