つかこうへい氏、肺がん…病床からビデオで演技指導

つかこうへい氏、肺がん…病床からビデオで演技指導

劇作家のつかこうへい氏(61)が25日、肺がんを患っていることを公表した。現在は病院で抗がん剤投与を受けており、会見などの予定はない。2月3日にはつか氏が手掛ける黒木メイサ(21)主演の舞台「飛龍伝2010」(新橋演舞場)が初日を迎えるが、入院後は演出助手の森和貴氏(35)が届けるビデオで演技などの指示を出しているという。この日、提携事務所を通じて「キャスティング等、全て決まった後の肺がんの告知でございましたので、まことに辛うございました」と心境を明かした。

 日本演劇界を代表する奇才ががんと闘っていた。関係者によると、つか氏が肺がんと分かったのは昨秋頃。演出を手掛ける舞台「飛龍伝2010」のキャスティングは既に決定しており、11月からは、つか作品に初出演となる東幹久(40)、徳重聡(31)に病気を隠したまま、ダンスや芝居のけいこをつけていた。

 昨年12月9日の舞台製作発表を体調不良で欠席していたが、1月6日からの本格的なけいこでは直接、俳優陣に演技指導をしていた。日々、変更されるセリフを大声で読み、出演者に手本を示すなど、変わった様子は見られなかった。以前からつか氏は時々、けいこを休むことがあり、その時は演出助手の森氏が中心になってけいこを続けていたため、スタッフや出演者も入院による不在を気にかけなかったという。入院後はけいこのビデオを病床で確認しながら、演技を“遠隔指導”しているそうだ。

 学生運動時代の青春群像を描いた同舞台は「蒲田行進曲」などに並ぶ、つか氏の代表作の一つ。73年に初演され、90年にリメーク版を発表。この時、主演した富田靖子以降、92年・牧瀬里穂、94年・石田ひかり、01年・内田有紀、03年の広末涼子らが立て続けに好演し、俳優として成長してきた。

 今回、主演を務めるメイサは、この日のがん公表には驚いたそうだが、つか氏とはデビュー作の「熱海殺人事件 平壌から来た女刑事」以来、約6年ぶりのタッグとなるだけに「初日を迎えることができるよう、けいこをがんばるだけです」とコメントした。公演は予定通りに開催する。つか氏が観劇するかどうかは未定だが「昨日、今日で、ほぼ完璧なものができあがっております。どうぞお芝居をお楽しみくださいませ」と自信のコメントを寄せた。

 ◆肺がん 2005年の統計によると、日本ではがんによる死亡の19%を占め、男性では全がん死のトップになっている。女性でも大腸がん、胃がんに次いで第3位の死亡率となっている。原因としては喫煙が最も高い要因となっている。そのほか、アスベストの吸い込みなども原因となる。一般的な症状は血たん、慢性的なせき、胸痛、食欲不振、息切れなどがあるが、進行するまで無症状なことも多い。

 ◆つかこうへい 1948年4月24日、福岡県嘉穂町(現嘉麻市)出身。慶大文学部中退。73年に戯曲「熱海殺人事件」で岸田国士戯曲賞を受賞。74年、劇団「つかこうへい事務所」を設立。80年に女優・熊谷真実と結婚し、82年に離婚。同1月には「蒲田行進曲」で直木賞受賞。83年に女優・生駒直子と再婚。映画「蒲田行進曲」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞。長女は今月、宝塚歌劇団退団を発表した雪組娘役トップ・愛原実花。

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