【アメリカのがん登録】(1)登録士が予後把握

【アメリカのがん登録】(1)登録士が予後把握

 がん登録に携わる立場から、各国のがん登録を視察しました。最先端はやはりアメリカでしょうか。何より「院内がん登録」が素晴らしい。がんの部位やステージ、治療法、生存率などの情報を病院が管理。病院間のデータから診療実態を比較検討し、より質の良いがん診療を提供するのが狙いです。

 優れているのは、データの網羅性。初めてがん治療を受ける患者さんの8割が「がん治療承認病院」にかかる。承認病院は全米に約1400ありますが、外科治療を行う病院の25%。つまり、25%の病院を押さえれば、8割の患者さんのデータが把握できるわけです。

 承認病院では750人の患者に1人の割合で「がん登録士」を置くことが目安とされます。カルテを読み、必要な情報を入力するのが役割ですが、それだけなら1人で年に1000件くらいは扱える。750人なのは、がん登録士が患者さんの予後調査も行うからです。

 連絡の途切れた患者さんが元気かどうか、手紙などで確認するのが予後調査。「その後、いかがですか。治療を続けていますか」という感じでしょうか。患者さんが生きている間、一生です。正確なデータには予後調査は不可欠。アメリカでは5年以内に診断された患者さんについては、情報が1年以上更新されない人が10%以上いるがん治療病院は承認を失います。こうした取り組みの費用は病院負担ですが、承認されるメリットは大きいようで、どこも必死で情報を整備していました。

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