手術した腫瘍は検査で「良性」 容態急変後に一時逃走の疑いも 山本病院事件

手術した腫瘍は検査で「良性」 容態急変後に一時逃走の疑いも 山本病院事件

奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(廃止、法人は破産手続き中)で肝臓手術を受けた男性患者=当時(51)=が死亡した事件で、患者の肝臓の腫瘍(しゆよう)を検査した同病院の当時の放射線科医が、「良性の肝血管腫」と診断していたことが6日、捜査関係者の話で分かった。肝血管腫は通常、手術の必要はないが、業務上過失致死容疑で逮捕された法人理事長の山本文夫容疑者(52)=詐欺罪で1審有罪、控訴中=らはがんと診断して手術を実施していた。

 県警も残された患者のコンピューター断層撮影(CT)画像などから、腫瘍は肝血管腫だったと断定。山本容疑者らが故意にがんと誤診した疑いもあるとみて、傷害致死罪の適用も視野に手術に至った経緯をさらに調べる。

 一方、山本容疑者が手術途中で患者の容体が急変したのち、病院から姿を消し、手術で助手を務めた塚本泰彦容疑者(54)と看護師だけで止血措置などをしたことも判明。山本容疑者が病院に戻ったのは患者の死後で、県警は山本容疑者が手術を放棄し、逃走した可能性もあるとみて調べる。

 県警によると、逮捕容疑について、山本容疑者は「そのような事実はないとしか答えられない」と否認。塚本容疑者は「山本容疑者が肝静脈を損傷させた」と認めているという。

 捜査関係者によると、男性患者の肝臓に異常が見られたことから、放射線科医は腹部造影CT検査を実施して肝血管腫と診断した。血液検査でも肝機能の異常を示すデータはなかったが、山本容疑者らはがんの疑いがあるとしてさらに検査を指示した。放射線科医は再度の検査で、改めて肝血管腫と判定したという。

 ところが、山本容疑者らは最終的に肝細胞がんと診断。男性にもがんと告知し、平成18年6月16日に手術を行ったという。県警が押収したカルテにもがんと記載されていた。

 放射線科医は「検査後にどうして肝臓がんの診断に至ったのかは分からない」と話しているという。

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