笑顔と触れ合い重視の催し展開

笑顔と触れ合い重視の催し展開

笑顔と触れ合いの中からがん情報を発信しようと、バーベキューや音楽ライブなどのイベントを展開。気軽につながり合えるよう携帯電話を活用したインターネットサイトも運営し、がんを患っている人もそうでない人も、情報を共有しながら交流できる環境づくりに挑んでいる。

 約5年半前に乳がんを患い、その後、患者会代表などを務めてきた垣本志津枝理事長(47)が、がん患者や医療、福祉関係者らとともに昨年11月に設立。勉強会や講演会などは「堅い集まり」になりやすく、闘病生活を乗り切るためには「笑いや楽しさ」の要素も必要と、多彩な催しを重視する。

 イベントの参加は、がんを発症していない人にも広く呼び掛ける。早期発見、早期治療が回復の鍵を握るため、がん検診の受診を促すとともに、がんをよく知る人とのつながりを生み出すことが狙い。

 そこには垣本理事長自身の体験が深くかかわる。がんを発見したきっかけは飼い犬の行動。あまりにも胸の同じ場所をなめるため、知人の看護婦に相談した結果、受診を勧められて見つかった。「まさか自分がなるとは」。ショックを受けるとともに「どこの病院に行けばいいのか皆目分からなかった」という。

 こうしたときに力強い存在なのが、がん関連の情報に詳しい人たち。乳がんの場合では、乳房の切除範囲や、切らずに治す治療法など「病院間で差がある」と強調し、「手術してから後悔しても遅い」と、つながりを持つ意義を説明する。「がんになる前に、自分に合った医師と出会っておくのがベスト」だ。

 一方で、がん患者には「楽しみを提供したい」と意気込む。笑いががん治療にいい影響を与えるというデータなどを基に、芸能関係者などの幅広い人脈を生かしながらイベントを企画するという。

 手軽につながり合える手段としては、携帯サイトを運営。無料会員を募っており、情報交換の場としても活性化させていく方針だ。

 今後は「働き盛りの30~40代の層の支援にも力を入れたい」と垣本理事長。高額な治療費や子供の養育費などが生活を圧迫しやすいとみており、「まず実態を把握していきたい」と現場の声を求めている。

 いずれは、がん患者をはじめさまざまな人が集い、憩える場所の開設にも思いを寄せており、がんをめぐる「知のネットワークづくり」への挑戦はまだ始まったばかりだ

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