山本病院 背中側の腫瘍を胸から切除…常識外の危険な手術法

山本病院 背中側の腫瘍を胸から切除…常識外の危険な手術法

奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」(解散)による業務上過失致死事件で、逮捕された元理事長の山本文夫被告(52)(詐欺罪で実刑判決を受け控訴中)らが、肝臓の腫瘍(しゅよう)摘出手術で死亡させたとされる男性(当時51歳)に対し、背中側にあった腫瘍を胸側から切除する方法で執刀していたことがわかった。専門医ならこの手術法は使わず、県警は、専門知識と経験がない山本被告らの手術の実態解明を進める。

 捜査関係者によると、男性の肝臓の腫瘍は肝静脈や大動脈など、重要な血管が近くを通る右脇腹の背中側にあり、肝臓手術で最も難易度が高いとされる。

 看護師らの証言では、山本被告らは胸部を縦横約15センチずつ開き、十分に止血しないまま肝臓を胸側から切り進んで、背中側の腫瘍を切除。その際、男性の肝静脈を傷つけ失血死させたとされる。

 しかし、肝臓の専門医によると、背中側に腫瘍がある場合は、胸から下腹部にかけて大きく開腹。その後、肝臓を裏返して腫瘍を切除する「脱転法」を用いるといい、専門医は「あまりにも無謀なやり方だ」と驚く。

 一方、山本被告は手術前、心配する看護師らに「俺やったらこんな手術、1時間もあったら終わらしたるわ」などと語ったものの、男性の死亡後、看護師に「俺はちゃんとしてたのに、おかしいなあ」などと釈明していたという。

 日本肝胆膵(すい)外科学会の高田忠敬理事長は「男性の部位にあった腫瘍切除は、経験のない医師ができる手術ではない。訓練をせずに行うと、今回のような悲惨な結果を招く」と指摘する。

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