十和田市立病院緩和ケア病棟 岐路に

十和田市立病院緩和ケア病棟 岐路に

経営難に陥っている十和田市立中央病院で一時閉鎖中の緩和ケア病棟が岐路に立たされている。がん患者らが痛みを和らげながら家族とふだんの生活に近い形で過ごせる同病棟は昨年秋、県南地域に初めて出来たが、経営上、3カ月で行き詰まった。同病院は独立法人化などで経営改善の道を探るが、同病棟は不採算部門として切り捨てられる恐れも。これに対して院長は「必要な施設」と、早期再開を訴えている。(栗田有宏)

 同病院の緩和ケア病棟は昨年9月、ベッド数10床でオープン。がん患者ら約30人が入れ替わり利用したが、わずか3カ月後の11月末、看護師ら医療スタッフの手厚い配置が難しいとして一時閉鎖に追い込まれた。

 同病院には325床の一般ベッドがあるが、経営状況の苦境を打開するため、効率的な看護師配置や病床利用が必要だとして、ケアに比較的人手のいる同病棟にまず手をつけた格好だ。

 しかし、十和田地域で在宅での緩和ケアなどを手がけてきた同病院の蘆野吉和院長は、緩和ケア病棟は今後の医療に必要な施設と強調する。

 蘆野院長は「がんで死ぬ人は現在の年間33万人から2038年には約80万人まで増えるとみられ、日本の医療態勢としては在宅での看取(み・と)りに移っていく形で進んでいる」という。そのうえで、緩和ケア病棟は、在宅・居宅医療に移る準備段階で入院したり、家族や本人の希望によっては看取ったりする場として、「地域にその存在が求められている」と話す。

 一方で、多額の不良債務残高を抱え、「経営健全化団体」への転落が見込まれる同病院は有識者による経営改革検討委員会で独立行政法人化を図るなどの経営改善策が検討されている。6日あった委員会では、この緩和ケア病棟が不採算部門だとする意見が委員から上がり、今後の議論によっては再編対象となる可能性が出てきた。

 これに対し、蘆野院長は朝日新聞の取材で、「がん対策として国を挙げて緩和ケアを推進する中で、病棟をつくったことが問題だといわれるのは目先だけの論理だ」と反論した。むしろ、「再開への市民の要望が大きくなれば経営を考慮したうえで、できるだけ早くそうしたい」との考えを示している。

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