酵素で抗がん剤副作用を抑制

酵素で抗がん剤副作用を抑制

広島大大学院医歯薬学総合研究科の杉山政則教授(構造生物学)のグループが、抗がん剤ブレオマイシンの副作用を抑制する酵素の仕組みを解明した。解明に必要だった酵素の高純度結晶を、国際宇宙ステーション(ISS)の環境を利用して生成する実験に成功し、16年越しの研究が実った。

 ブレオマイシンは、精巣がんや皮膚がんの治療に高い効果を発揮するが、呼吸困難を引き起こすなど強い副作用がある。杉山教授は1994年、この副作用を抑制できるブレオマイシン・アセチル化酵素(BAT)を発見。さらに立体構造を解析しようと高純度結晶の生成を試みたが、失敗に終わっていた。

 ISSでの実験は、宇宙航空研究開発機構の公募で実現した。BATの溶液をロシアの宇宙船で打ち上げ、無重力に近い環境で約4カ月かけて結晶化。地球に持ち帰った後は、世界最高性能の大型放射光施設スプリング8(兵庫県佐用町)での解析などにより、BATがブレオマイシンを人間の体内にある有機化合物と出合わせ、機能を失わせることを突き止めた。

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