【アメリカのがん登録】(3)社会保障番号で検索

【アメリカのがん登録】(3)社会保障番号で検索

アメリカで精密ながん情報を把握できる背景には、体制整備の違いもあります。

 アメリカの「院内がん登録」では、がん登録士が精密な情報を取るため、連絡の途切れた患者さん一人一人に連絡を取ります。ですが、「地域がん登録」で患者さんが亡くなったという事実だけを調べるなら、ナショナル・デス・インデックス(全国死亡参照制度)があるので、研究者が社会保障番号で検索すれば生死は分かります。

 ナショナル・デス・インデックスは、日本なら厚生労働省の人口動態統計に近い。人口動態統計の死亡や死因は市町村の窓口に出される死亡個票を基に整備されているので、極めて正確で信頼できます。しかし、個人情報保護が完璧(かんぺき)に守られていて、研究者が利用するには「目的外利用」の申請をしなければなりません。

 仮に利用が認められても、使用後の情報は削除しなければならず、申請した本人なり団体なりしか使えません。目的外利用の申請を出し、情報の利用が認められても、がん登録として整備した情報を広く有効に利用できないことになります。

 でも、緻密(ちみつ)な死亡情報を取りながら、その情報を、日本人の3人に1人が罹患(りかん)するがん対策に十分に役立てられないことを、皆さんはどう思いますか。効率的だと考えるのでしょうか。

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