がん患者の心ほぐす

がん患者の心ほぐす

■ 第4回女性いきいき大賞・優秀賞 ■

◎ 周南いのちを考える会/下松市 ◎
  「再発はしていないけれど、笑うとお金のかからない免疫力アップになるわよね」。抗がん剤治療を受けているがん患者が、お茶を飲みながら談笑していった。

  防府市にある県立総合医療センター2階、患者の待合スペースが週に1日、「きららサロン」に変身する。運営するのはNPO法人「周南いのちを考える会」(下松市、会員約220人)。同センターの協力を得て昨年9月に開設した。会員12人が交代しながら2~3人で応対し、患者や家族の相談に応じたり、がんに関するDVDや本の貸し出しをしたりしている。利用者からも好評で、4月から週2日に増やす方針だ。

  「どう話したら患者さんの気持ちが安心するか、考えながら話をしています」。会員で元検査技師の植木宏子さん(66)は父親を胃がんで失った。医師や看護師に相談しづらいことでも気軽に話すことができ、つらい経験を共有することで気持ちも楽になる。

  同会は2001年、県東部地域での緩和ケア(ホスピス)病棟設置を目指して立ち上がった。02年には3カ月間で2万5千人分の署名を集め、県に設置を要望。運動は08年12月、周南市の徳山中央病院に特例として緩和ケア病棟(25床)が新設される形で実を結んだ。

  将来的には、緩和ケア病棟へボランティアとして参加することも視野に入れ、専門家を招いた講演会や市民へのホスピスケア講座を開き、普及や啓発に取り組んできた。

  「病院は非日常の空間で、患者は本音を言いづらい。ボランティアが『社会の風』を持ち込み、医療者と患者とが対等な関係になる手伝いをしたい」と同会代表の前川育さん(60)。「緩和ケア病棟をいかすには、患者の悲しみやつらい心に寄り添うことができるボランティアの存在が必要。そのためにも、責任あるボランティアを育てることが大切です」と意気込みを語った。
(斎藤靖史)

● NPO法人「周南いのちを考える会」 ●
  がんサロンの運営のほか、がん経験者と家族が語らう患者会を毎月開いたり、会報を年4回発行したりしている。連絡先は代表の前川さん(090・9417・6908)。
=くらしづくり分野

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