肝がん発症に新メカニズム 東北大グループが解明

肝がん発症に新メカニズム 東北大グループが解明

東北大大学院医学系研究科の山本雅之教授(医化学)と、東京都臨床医学総合研究所の小松雅明副参事研究員らのグループが、肝臓がんの発症を引き起こす新たなメカニズムの一端を解明した。特定のタンパク質の過剰な蓄積が、がん細胞の増殖に有利な環境をつくり出していることを発見。新たな抗がん剤や治療法の開発につながる可能性が高いという。

 肝臓がん患者の体内にはタンパク質の一種「p62」が過剰に蓄積することが知られていたが、がん発症のメカニズムとの関連は不明だった。山本教授らはマウスを用いた実験で、p62と生体防御をつかさどる細胞内のセンサー分子(タンパク質)とが結合することで、特定の酵素群が過剰に発生し、がん細胞の増殖を助けていることを突き止めた。

 肝臓がんによる国内の死者は年間3万人を超え、2008年の国立がんセンターの統計では肺がん、胃がんに次いで3番目に多い。肝硬変からがんに進行する患者が大半で、肝機能が低下した状態で広範囲の切除手術をするため、術後に肝不全を発症し死亡するケースが多いという。

 山本教授は「p62の発現を阻害する物質を特定し、効率よく減らす薬剤を開発できれば、広範囲を切除せずに、肝機能を温存しながら治療できる可能性が高い」と説明している。

 研究成果は、英科学誌ネイチャーの姉妹紙「ネイチャー・セル・バイオロジー」(オンライン版)に掲載された。

トラックバック&コメント

この記事のトラックバックURL:

まだトラックバック、コメントがありません。


中外製薬 海外開発中の新規作用抗がん剤導入 10年後半から治験 »
« たんぱく質:がん守るたんぱく解明 新薬開発に道--都臨床研など