福祉支援、がん検診…行政サービスの底上げに一役 調布市でアフラックが注目

福祉支援、がん検診…行政サービスの底上げに一役 調布市でアフラックが注目

企業による社会貢献が定着して久しい。そんななか近年、目立っているのが、企業が自治体と連携しながら行政サービス向上をめざす地域密着型の社会貢献だ。がん保険の「アメリカンファミリー生命保険会社」(通称・アフラック、東京都新宿区)は、調布市の障害者福祉や医療サービスの底上げをはかり、注目を集めている。

 2月中旬のお昼時。京王線・調布駅南口にあるアフラックのスクエアビル1階では、軽度の知的障害者たちが、手作りパンを販売していた。

 たまごカレーパン、ピザなど40種以上のパンは、1時間弱で完売した。

 アフラックは平成13年から、このビル1階の社員食堂横のスペースを平日の昼食時、調布市社会福祉事業団の知的障害者通所施設「すまいる」の利用者らに無料で貸し出している。

 障害者は一般企業で働くハードルがまだ高く、収入はこうした作業所の工賃に頼らざるを得ない。アフラックの取り組みは、「すまいる」利用者らの作ったパンの販路拡大に一役かっており、「すまいる」利用者の工賃は1人当たり3万円弱と、全国平均(1万2600円、平成19年度厚生労働省調査)の倍近くを維持できている。

 「すまいる」の渡辺益男施設長は「アフラックさんでの販売が事業団の安定した収入につながり、とても助かっている」と話す。
 アフラック社会公共活動推進課によると、新宿区の本社からシステム部門などをスクエアビルに移した平成6年から、調布市への地域貢献を始めた。ほかにも市民駅伝への協賛や市便覧の広告掲載などを実施、23日には、低いがん検診受診率の向上を目的とした協定を市と結ぶことになっている。

 調布市の広報課も「市民の福祉向上は行政の目指すところ。財政難の中で、非常に助かっています」とうれしそうだ。

 企業の社会貢献活動について詳しい公益社団法人「日本フィランソロピー協会」の高橋陽子理事長は「自治体の財政が先細るなか、企業の社会貢献の果たす役割は大きい。今後は行政が市民のアイデアと企業とを結ぶなどのコーディネーター役となり、企業の社会貢献をさらに充実させていってほしい」としている。

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