がん対策タウンミーティングに行ってきました

がん対策タウンミーティングに行ってきました

青森県での「がん対策タウンミーティング」は、今月7日に青森市内で開かれました。150人入る会場は満員で、その内訳は患者・一般市民が3分の1、医療従事者が3分の1、自治体の議員や行政関係者が3分の1と理想的なバランス。あまり患者支援活動が活発ではないと聞いていた割に市民参加が多かったことに驚きと喜びを感じました。

 ただ、それもそのはず。青森県は、がんの死亡率(75歳未満年齢調整、2008年)が男女とも全国ワースト1位だそうなんです!それも男性は2004年から5年連続、女性も3年連続だそうで、こんな事態を県民として放っておけないですよね。

 当日はまず、がんの死亡率が高い背景と対策について、県健康福祉部の大西基喜・保健医療政策推進監から説明がありました。要因には、喫煙やアルコールなど生活習慣の影響でがんになる人が多いのか、がん発見が遅いのか、がんが見つかった後の医療体制に問題があるのか――などいろいろ考えられるようですが、会場からの声が最も多かったのは専門医不足や医師の偏在による医療体制の問題でした。例えば――

 県担当者「専門医育成には時間がかかる。また、青森県は岩手県と並び医師不足が深刻で、がんの専門研修を受けに行ってもらうにも現場を離れられない。国を中心に研修中の代診医派遣の仕組みを考えてほしい」

 県立病院長「地方の医師が中央に研修を受けに行くのではなく、中央の専門医が地方に来て研修する仕組みの方が効率的ではないか」

 ――といった具合。実際、静岡県から毎月1回青森県に専門的な乳がん化学療法の指導に訪れている腫瘍内科医の渡辺亨医師も会に参加し、「一年ほど指導して、外科医が乳がんの化学療法に携わっている場合がほとんどだが、あっという間に専門的な化学療法も可能になってきた。医療の質の向上と地域格差解消のためには、専門医の側が地域に出向いて指導するのは効果的だ」と発言。そうした仕組みの創設を提案しました。

 もう一つ、強く印象に残ったのは、青森県内外の患者・市民団体同士の意見交換が活発に行われたことです。発端は、秋田県から駆け付けた市民団体「秋田にホスピスを増やす会」代表の田口良実さんの発言でした。

 「秋田では5つの患者、市民団体が連絡協議会をつくり、行政と連携を進めている。宮城、岩手でも患者活動が広がっているが、青森はそうした取り組みが弱いのではないか」

 こう言って青森県の患者・市民団体を激励したところ、昨年、弘前市に乳がん患者の会「ほほえみネットワーク」を設立した赤石とし子さんが「市立病院の医師らの支援もあり、体験の語り合いなどを始めています。今後、治療帰りにちょっと寄っておしゃべりできる患者サロンのような場を設けたい。どうしたら行政の方たちと連携できるのか」と声をあげてくれました。

 これに対し、WGメンバーで高知県の患者団体「一喜会」の安岡佑莉子会長は「高知では県のがん条例に患者支援を明記してもらったことで、行政が患者団体の活動に援助しやすくなった」と紹介。また、宮城県の患者団体「カトレアの森」の郷内淳子代表や、全国組織の患者団体「グループ・ネクサス」の天野慎介理事長らも、実例を挙げながら行政や医療従事者との協力の仕方を報告しあい、期せずして、このタウンミーティングが東北を中心に全国の患者団体の連携を生む場となったのです。<続く>

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