凸版、がん組織の遺伝子解析向けに低コスト高精度解析手法を開発

凸版、がん組織の遺伝子解析向けに低コスト高精度解析手法を開発

凸版印刷は、がん組織の遺伝子解析向けに、新しい解析手法「蛍光PHFA(Preferentially Homoduplex Formation Assay)」法を開発したことを明らかにした。シカゴ大学との共同研究により、同手法が実際の患者から、採取したがん組織からがんの遺伝子タイプを低コストかつ、高精度で解析可能であることが明らかになったという。

蛍光PHFA法は、蛍光修飾された2本鎖の標識DNAとPCR(Polymerase Chain Reaction)によって対象サンプルから増幅された2本鎖の非標識DNAを熱変性し、それぞれのDNAを1本鎖の状態にし、その後、温度を緩やかに降下させて再び2本鎖DNAを形成させる操作を行い、標識DNAと非標識DNAとの間で起こる鎖置換にともなって生じる蛍光強度の変化を測定することで、がん細胞由来の微量しか含まれていない遺伝子の1塩基の違いまで検出を行う手法。変異検出に要する時間は、遺伝子増幅反応時間を除いて約15分で、凸版印刷では将来的に1分程度に短縮可能だと考えているという。

シカゴ大との共同研究では、同大医学部が保有する複数の臨床検体を用いて、蛍光PHFA法と既存のいくつかの遺伝子解析方法の比較検証を実施した。がん組織から調べる対象のがん関連遺伝子の変異は、EGFR遺伝子(15種の変異)、KRAS遺伝子(7種の変異)、NRAS遺伝子(2種の変異)、BRAF遺伝子(1種の変異)、 合計25種とし、これまですでに約150サンプル中の遺伝子変異を蛍光PHFAによりすべて同定することに成功したという。また、臨床検体に付随する医療情報と変異の相関を解析することにより有用かつ新規な医学的発見についても得られることが期待されるとしている。

なお、凸版印刷では、蛍光PHFA法をがん治療以外の分野へも応用が期待できる遺伝子解析手法として、グループ会社で遺伝子解析受託事業をてがける理研ジェネシスなどと共同で専用装置の製品化、および販売を目指す計画。

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