父のがん 横浜市港北区・匿名希望(主婦・45歳)

父のがん 横浜市港北区・匿名希望(主婦・45歳)

父の食道がんがわかったのが昨年4月のこと。今まで病気一つしたことのない父だっただけに、信じられなかった。幸い転移していなかったが、手術できない状態だった。すぐ入院し、抗がん剤などの治療を受け、効果が出ることを祈った。

 本人が前向きな気持ちだったので、私たち家族もがんばることができた。しかし、治療の効果が全く出ず、病院から「これ以上の治療法がない」といわれ、転院を余儀なくされた。父の気力はこのころから失われていった。

 父は今、他の病院に転院し、毎日を過ごしている。心配していた転移は今もないが、腫瘍(しゅよう)で食道がふさがっているため、飲食が全くできない状態が続いている。

 治療もできず食事もとれず、ただ死を迎えるだけの日々を過ごしているのかと思うと、本当につらい。せめて水を一口でも飲めればと思うと涙が出る。飲食ができないせいで、体重も40キロを切ってしまった。体力もなく、声も出なくなり、会話は筆談だ。

 若いころは威厳のある怖い父だったが、今は弱っていく姿を前に、何もできずにただ見ていなければならない。父は自分の死後のことを家族に託し、死を受け入れている。

 父の気持ちを尊重しなくてはならないと思う一方、この期に及んでも何とかならないのか、助けられないのかと気持ちの整理がつかない。

 父のために何もできない無力な自分が悲しい。

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