子宮頸がん 万全の予防を 熱海のNPO法人・河村理事長が呼びかけ

子宮頸がん 万全の予防を 熱海のNPO法人・河村理事長が呼びかけ

女性の80%が感染し、20~30代で発症例が増えている子宮頸(けい)がんが、国内で初めてワクチンが承認されたことで予防がしやすくなった。3月1~8日は、厚生労働省が定める「女性の健康週間」。患者会の先駆け、熱海市のNPO法人「オレンジティ」の河村裕美理事長(43)は、自身の闘病経験から、ワクチンと検診による二重の備えの大切さを呼びかける。 (報道部・石川才子)

 「人生が一変した。一番ショックだったのは、赤ちゃんを産めなくなったこと。手術から10年が過ぎたけれど、まだ割り切れていない。同じ思いをする女性を増やしたくない」

 河村さんは1999年、32歳で子宮頸がんが分かった。結婚の1週間後、皮肉にも出産を考えて婦人科検診を受けたのがきっかけ。「心当たりはなく、最初は何を言われたのか、よく分からなかった」

 就職した22歳から検診は受けていた。97年の検診で婦人科が「要精密検査」に。忙しくて行けないまま、98年の検診では「異常なし」に変わって安心していた。

 「あの時、精密検査を受けていれば…」。すでにがんは進行し、手術で子宮と卵巣を全摘出し、リンパ節も切除した。後遺症もつらい。卵巣欠落症候群の激しいめまいやイラつきに悩まされ、尿意や便意が分からない。リンパマッサージは欠かせず、再発の不安がつきまとう。日々、生きるのが精いっぱいだ。

 河村さんを支えたのは、離婚を申し出た河村さんに「一緒に歩もう」と言ってくれた夫と、患者仲間。「医師に聞けない性の悩みもある。情報を共有し、自分が特別じゃないと思うことで安心できた」

 経験から「患者をサポートしたい。命のバトンをつなげたい」と2002年、患者会を設立。検診による早期発見、早期治療を広く呼び掛けるとともに、07年からは「元を断とう」と国にワクチン承認を訴え、昨年10月に実現した。

 「10代前半のワクチン接種と検診を合わせれば、100%予防できるともいわれる」と河村さん。「女性が不妊や後遺症に悩むことのない社会が理想。病気を知り、検診やワクチンを活用してほしい」と願っている。

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 オレンジティは6日、静岡市駿河区の県男女共同参画センター「あざれあ」で、「女性特有のがん体験者が直面する問題」をテーマに定例会を開く。参加希望者は同会事務局=電090(7434)2002=へ。

 子宮頸がん 子宮の入り口付近に発生するがん。女性特有のがんとしては乳がんの次に多く、国内では年に約8000人が新たにかかり、約2500人が亡くなっている。性交渉で誰でも感染する可能性があるが、発症はごく一部。初期は症状がなく、ゆっくり進行する。ヒト・パピローマ・ウイルス(HPV)の感染が主な原因で、予防ワクチンは世界100カ国以上で使われている。ワクチン接種は性交渉前の年代が最も有効という。

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