(2)がん診療連携拠点病院の相談支援センターを利用してください

(2)がん診療連携拠点病院の相談支援センターを利用してください

第24回日本がん看護学会学術集会・市民公開講座
高山: みなさんどんな時にがん情報を探すでしょうか。例えば、有名人ががんになったとか。「がん情報サービス」のウェブサイトを見ると、有名人ががんになると、そのがんの種類のアクセス数がパーッとあがります。それ以外は、友人が、家族ががんになった、人間ドックで再検査になった、がんと診断された……やはりこういった時にがんの情報を探すんじゃないかと思います。
 どうして私ががんになったんだろう、この先生で大丈夫なんだろうか、放射線治療の副作用ってどんなものなのか、仕事は続けられるんだろうか、子どもたちの世話は誰がみてくれるんだろうか……。本当に無数の疑問や不安、やらなければならないことが押し寄せてくるんじゃないかと思います。その中で、今一番知りたいこと、今、知るべきことはなんなのかということを見極めることが大事です。ただ、どうしても混乱している時に、自分だけでは探せないとか、整理がつかないということが多いと思います。

 そういう時は、身近な誰かでもいいですし、医療機関の先生でも、看護師でもいい。全国には、地域でがん診療の中心になる「がん診療連携拠点病院」があり、現在375病院が指定されています。そこには「相談支援センター」という窓口が必ずあります。名前は病院によって少しずつ違いますが、そこで、面談でも、電話でも対応してくれるのでぜひ利用していただければと思います。

 インターネットを使って、がん情報を探すということはたくさんあると思います。調べれば調べるほど、何がなんだかわからなくなって不安が増してしまって、今自分にとって何が一番大切な情報なのかわからなくなってしまうということがあります。がんの情報を探す力をつけていくということが大事になってくると思います。

セカンドオピニオンの前に主治医のファーストオピニオン

 がんと診断された。先生が話していることは理解できているでしょうか。先生のほかにセカンドオピニオン(主治医以外の第2の意見)を聞きたいということで悩まれる方もいるんですが、そのまえにファーストオピニオン、今の先生からちゃんと話を聞けているということが大事です。

 突然病気になって、医療用語を浴びせかけられると、何がなんだか理解できないものです。先生は何でも知っていると思ってしまうかもしれませんが、先生がわかっていること、話したいことというのは、患者さん側が知りたいこと、聞きたいことと違う場合がかなりあります。知りたいことを教えてもらえない、先生にわかってもらえない、聞いても無駄だからほかの人に相談しようということで、せっかく目の前の情報源である担当医から情報をもらわずに、どうしようかと悩んでしまうこともよくあるようです。

 相談支援センターにこんな方も来られると聞きました。

 「がんと言われたんだけど、情報ください」
 「なんのがんなんですか?」と聞くと、がんと言われたから、情報くださいと。

 それでは、こちらからも情報を提供できません。がんの種類によって、治療法も違う。がんの大きさや広がり、転移の有無、がんの進行状態、こういった情報が必要です。それを持って、ほかの人に聞けば、理解が深まるでしょう。

 大事なことは、メモをとりながら、わかるまで主治医の先生から聞くということです。いろんな治療法を勧められることがあります。複数の治療法を勧められた場合は、それぞれの期待される効果、副作用などを聞いて、比べてみるということが必要になってきます。それでも、自分で決めるというのは、簡単なことではありません。

 患者さんご自身が治療に求めるものは何なのか、何を大事にしたいかということによって、選ぶ治療法が変わってきます。自分が優先したいことをちゃんと自分と対話をして先生に伝える、その中で納得した治療法を選んでいけるんじゃないかなと思います。

 必要に応じてセカンドオピニオンということもあります。もし、今の先生から提案された治療法以外にも治療法がないのかと思う場合、ほかの先生に意見をきいて、結局、同じ意見だったとしても、自分の治療に納得がいくということもあります。

 セカンドオピニオンに抵抗を抱く患者さんは多いですが、そうではなくて、自分が納得いく治療をうけるために必要です。ただし、その前に、現在の担当医のファーストオピニオンを大切にしていかなくてはなりません。

 先生だけが専門家ではなく、自分の状態や希望については自分自身がエキスパートなのですから、言ってみれば、専門家同士で情報を交換するということだと考えてみてください。

 しかし、ひとりで情報を探すのは大変なことです。誰かを頼ってください。身の回りの誰かでもいいですし、先生、看護師さんでもいいです。周りの力を借りて、情報の整理をしていっていただければいいと思います。

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