健やかわかやま:前立腺がん、50歳以上の男性に急増 上門康成さんに聞く /和歌

健やかわかやま:前立腺がん、50歳以上の男性に急増 上門康成さんに聞く /和歌

◆和歌山労災病院泌尿器科部長・上門康成さんに聞く

 中高年の男性に多い前立腺がん。初期の自覚症状がほとんどないため発見が遅れがちで、骨などほかの臓器に転移することもある。和歌山市木ノ本の和歌山労災病院泌尿器科部長、上門康成さん(58)に前立腺がんについて聞いた。

 ◇早期発見へPSA検査の受診を
 50歳以上の男性の間で前立腺がんが急増しており、社会的にも関心が高くなっています。増加の要因は食生活を中心とするライフスタイルの欧米化や高齢化が挙げられます。また、がん検診が普及し、発見できるケースが増えたことも大きく影響しているでしょう。

 診断にはPSA検査、直腸診、経直腸音波検査が用いられます。血液検査でPSA値を測定する方法が簡単で優れており、前立腺がんの一次検診にはPSA検査が適切とされています。

 PSA検診の普及で前立腺がんによる死亡者数が減るのか。日本の研究ではまだ証明されてはいませんが、ヨーロッパでその効果が示されました。こうした流れで、50歳以上の男性は早期発見を目的としたPSA検査で前立腺がんの検診を受けることが望ましいと思われます。

 早期発見し、がんが前立腺だけにとどまっている場合、根治性が最も高い前立腺の摘出手術を行うことができます。手術の主な合併症は、勃起(ぼっき)障害と尿漏れです。尿漏れは軽度の場合がほとんどで、多くは時間の経過とともに軽減します。

 また、早期がんであれば放射線治療も手術と同等の効果が得られます。治療法は二つに大別され、一つが体外から放射線を照射する方法、もう一つは前立腺に針を刺したり、小さなカプセルを埋め込んだりして内側から照射する方法です。主な合併症は直腸やぼうこうの炎症と出血です。

 そのほかにもPSA監視下での無治療経過観察、ホルモン療法などもあります。がんの進行度だけでなく、年齢や身体の健康状態も考慮して、医師から提示された治療法の利点と欠点を十分理解した上で、自分の生き方に合った治療法を選ぶことが大切です。

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 ■人物略歴

 ◇うえかど・やすなり
 77年、県立医大卒。県内各地で前立腺がん検診を行い、07年から現職。泌尿器科学会専門医・指導医。

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