緩和ケア(下)

緩和ケア(下)

石川県立中央病院緩和ケア内科 黒川勝医師
看取りの場所希望と現実
 治らない病気になったとして、あなたならどこで最期を迎えたいですか?

  2008年の統計では、希望する療養場所として、自宅63%、ホスピス・緩和ケア病棟18%、今まで通った病院9%でした。

  また、希望する看取りの場所としてはホスピス・緩和ケア病棟47%、今まで通った病院32%、自宅11%でした。

  実際の看取り場所は、一般病院が90%以上、ホスピス・緩和ケア病棟は4%、自宅は2~3%程度です。これらの意味するところは、まず、患者の希望する療養と看取りの場所は、時期により変化するということです。すなわち患者のニーズに沿った療養場所の提供が必要となります。

  次に、看取りについては、希望する場所と実際の場所の間に、乖離がみられます。希望する看取りの場所としてはホスピス・緩和ケア病棟が47%と高いのに、実際に看取られた患者は4%と非常に低いことが分かります。これは石川県だけでなく、全国的にホスピス・緩和ケア病棟の数が不足しているためで、早急な施設増加が望まれます。

  また、希望する看取りの場所として自宅が11%あるのに対し、実際に看取られた患者は2~3%程度です。在宅での緩和ケアがうまくいかず、意に反して一般病院に戻って最期を迎えていることが考えられます。

  これに対しては、在宅緩和ケアの質を良くすることが必要です。そのためには在宅医、訪問看護師、ヘルパーなどの力が必要です。

  残念ながら、在宅緩和ケアに関してはまだ十分なスタッフがいないのが現状です。その課題が克服できるようになれば、病気の時期や治療の場所を問わず、いつでもどこでも、切れ目のない質の高いよりよい緩和ケアを提供できるようになるでしょう。

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