子どもホスピス、日本にも 3カ所、重病の子や家族滞在

子どもホスピス、日本にも 3カ所、重病の子や家族滞在

重い病気や障害と共に生きる子どもや、その家族を支える日本初の「子どもホスピス」が、神奈川県大磯町と奈良市、北海道滝川市の3カ所で、今年から2012年にかけて開設される。365日間、病や障害とともに暮らす子どもや家族が「第二の家」として滞在し、つかの間の休息を得られる場の整備を進めている。

 子どもホスピスは英国で誕生し、重い病気や障害の子らを短期間預かる施設として同国などで広がっている。

 小児科医らでつくる「小児在宅医療・緩和ケア研究会」代表の細谷亮太・聖路加国際病院副院長によると、こうした施設は日本にはまだない。自然に囲まれた自宅のような環境で家族も宿泊でき、周辺の医療施設との連携を目指しており、研究会は神奈川県大磯町の古民家を利用して開設することにした。

 古民家は、子どもたちに命の授業をするNPO法人「生きるちからVIVACE(ビバーチェ)」が提供する。代表の甲斐裕美さんの義父は小児まひで足が不自由な中、企業の会長を務め、大磯の古民家を所有。4年前に肺がんで亡くなる前に「最先端の医療でも助からない人のために使って」と言い残していた。

 14年前、脳腫瘍(しゅよう)だった7歳の息子を自宅でみとった浜松市の加藤真弓さん(47)も活動に協力する。「当時はほとんど眠れない状態が続いたが、外に助けを求めてはいけないと思っていた。そういう場があるだけで安心できる」

 研究会は新たにNPO法人をつくり、周辺の医療施設と連携。2年後の開設を目指す。細谷さんは「子どもはもちろん、看病にかかりきりの親、親に甘えるのを我慢しているきょうだいが、休息できる場を提供したい」と話す。

 奈良市では東大寺の宿坊「華厳(けごん)寮」を、ホスピスとして利用する計画が進む。京都大付属病院遺伝子診療部の富和清隆教授が4月に東大寺福祉療育病院に移り、寺と協力して運営方法を検討する。

 富和さんは東大寺近くの高校出身で、京都大での任期が切れるのを機に、地元に戻り社会貢献したいと考えていた。企業や専門家らと組み、どんな環境なら過ごしやすいのか、研究プロジェクトの立ち上げも計画している。

 富和さんは「寺は昔から、地域の人の安らぎの場だった。旅行もままならない人たちが、くつろげる場所を目指したい」と話し、年内の一部開設を目指している。

 北海道滝川市では、難病児のための野外施設「そらぷちキッズキャンプ」で今春からホスピス建設が始まる。

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