巣立ちに伝える「命の尊さ」 白血病で息子失った母

巣立ちに伝える「命の尊さ」 白血病で息子失った母

病院のベッドの上で「生きたい、生きたい」と繰り返した息子。5年前、白血病で次男宗大(そうだい)君=当時(7つ)=を亡くした愛知県一宮市今伊勢(いまいせ)町の松本春子さん(39)が、同市今伊勢西小学校で卒業を控えた息子の同級生たちに16日朝、自ら記した闘病記を読み聞かせる。短い学校生活で見せた快活さの裏で、泣きながら治療を続けた姿を児童に知ってもらい、命の大切さに気付いてほしいと願う。

 宗大君は5歳で白血病を発症。病状が回復した1年生の6月から同校へ通った。帰宅すると友達の話ばかり。わずか3カ月後に病状が悪化して入院生活に戻っても、外泊を許されるたびに「学校へ行きたい」とせがんだ。だが2度の骨髄移植も実らず、2年生の10月に亡くなった。

 宗大君の死後、打ちひしがれていた春子さんは、故人の言葉を紹介する本紙の「ラストワード」へ投稿し、掲載を機に前向きになれた。自身のホームページや地域紙に生前の宗大君を書き記すことで癒やされた。

昨年、小学1年になった長女と参加した子供会の行事で、宗大君と同級だった男子児童が春子さんに話し掛けてきた。「宗ちゃんのこと覚えてるよ」。この言葉で、胸に秘めていた「宗大の思いを同級生に伝えたい」との気持ちが強くなった。

 同校では毎週火曜に父母有志が本を読み聞かせる時間を設けている。春子さんも宗大君が通った3カ月間に読み手を務めた。春子さんの今回の申し出を学校側も快諾。6年生の最後の読み聞かせの時間を用意してくれた。

 宗大君の生涯を原稿用紙14枚に込め、16日は20分間かけて朗読する。「生きていればたくさんの困難もあるけど、たくさんの良いこともあります。だから負けないで頑張って」。最後はこう結ばれる闘病記。同級生たち一人一人の目を見ながら、息子の思いを語り掛けようと誓う。

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