Dr.中川のがんから死生をみつめる:/48 余命告知に関する意識

Dr.中川のがんから死生をみつめる:/48 余命告知に関する意識

放射線治療を受けたことのある(あるいは治療中の)がん患者の皆さん、一般の東京都民、東大病院の医師らを対象に、07~09年に「死生観」に関するアンケート調査を実施しました。

 このなかで、仮に余命が6カ月くらいの場合、1~2カ月くらいの場合、それぞれ「余命を聞きたいですか」という質問をしました。回答は、がん患者の皆さん306人、一般の都民1176人、医師109人からいただきました。

 その結果、患者の中で「余命を具体的に教えてほしい」という割合は、余命6カ月くらいの場合に45%、余命1~2カ月くらいの場合に48%でした。一般人は、それぞれ46%、50%でしたので、大きな違いはありませんでした。

 逆に、余命を聞きたくない人の割合は、患者の場合、余命6カ月で7%、1~2カ月で11%でした。一般人は、それぞれ6%、8%でした。「余命を聞きたくない」という患者さんが多くいることが分かりましたが、それは一般の人との間で際立った違いはありませんでした。

 もちろん、患者の中には放射線治療で完治している人も多く、「現実に余命が問題となっている人はあまり多くない」という事情もあり、参考データにすぎないとも言えます。それでも、がん患者の皆さんも、「余命を聞いておきたい」という人が多い傾向のようです。

 ただし、「自分から聞いたときのみ説明してほしい」と回答した割合は、がん患者では、余命6カ月で27%、1~2カ月で24%だったのに対して、一般人では、それぞれ22%、20%と、患者の人の方が高い結果となりました。

 一方、「余命を聞きたくない」という医師は、余命6カ月で3%、1~2カ月で5%と、患者や一般人よりもはるかに少ない結果でした。つまり、医師は「自分自身の思いが、患者の皆さんにも当てはまるもの」と判断してはいけないということです。余命を告知する場合でも、患者の皆さんの気持ちに十分に寄り添ったものであるべきです。無神経で一方的な余命告知など、言葉の暴力にすぎません。

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