骨髄バンク 知って 移植経験者が芝居企画

骨髄バンク 知って 移植経験者が芝居企画

骨髄バンクで骨髄移植を経験した杉本郁夫さん(35)が企画した芝居「月の静かな夜のこと」が19、20の両日、大阪市東成区の府立健康科学センター(ゲンキープ大阪)2階会議室で上演される。「骨髄バンクの存在を知り、一人一人が考えるきっかけにしたい」という思いで公演に向けて準備を進めている。
杉本さんは2000年に移植手術を受けて社会復帰を果たし、チャリティーコンサートなどで骨髄バンクの啓発活動に取り組んでいる。芝居でのアプローチは初めてだが、「コンサートとはお客さんの層が違うと思う」と、昨年秋に知り合いの劇作家で俳優の田中悟さん(39)に制作を依頼。白血病と診断された主人公の心の葛藤(かっとう)や病気を告白された妹や弟の戸惑いをテンポのよい会話劇で描く。

 田中さんは「患者やその家族が持つであろう不安や疑問、そして希望を入れた」と話す一方で、「これは、骨髄バンクへの登録を呼び掛けるメッセージを発信するものではない」と断言する。病気と骨髄移植・バンクについての基本情報を入れながらも、物語のベースにあるのは家族のつながり。病気をきっかけに家族のきずなを再認識していく。

 「まずは知ること。そして一人一人が考えていくことだと思う。自分に当てはめて家族の一員になったように見てほしい」と田中さん。出演者の徳山佳孝さん(31)も「自分は何も知らないんだと痛感した。同じように知らない人でも理解でき、考えるべきテーマとして提供できる」と自信を見せる。

 杉本さんは、今でも骨髄移植を受けることなく亡くなっていった患者仲間の存在を忘れたことはない。まちを歩くと、もしかしたらドナーとすれ違っているのではないか、とも思う。「社会復帰したからもう関係ない、ではない。ドナーの方への恩返しとしても、続けていきたい」。今後は学校での上演も視野に入れ、「これを第一歩にしたい」としている。

 上演時間は1時間。チケットは1人500円で、収益は関西骨髄バンク推進協会に全額寄付される。問い合わせは電話06(6976)8867、ライズ企画へ。

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