井上さんに地域医療賞岩国がんと闘いながら診察

井上さんに地域医療賞岩国がんと闘いながら診察

岩国市岩国の医師・井上清さん(75)が、住民に密着した医療活動などの功績をたたえる「第17回ノバルティス地域医療賞」を受賞した。井上さんは自らがんと闘いながら、患者の診察をいとわない姿勢が評価された。「多くの先輩、同僚の代表として与えられ、重く感じる」と喜びを謙虚に語る。

 同賞は、日本医師会、医薬品会社ノバルティスファーマ(東京)などでつくる委員会が1994年から毎年、全国各地の医師を表彰。今回は井上さんら5人を選出し、2月に発表した。

 井上さんは、岩国市出身で九州大医学部卒。福岡、広島県などで病院に勤めた後、71年に同市岩国で整形外科医院を開業。骨折や脱臼、リウマチなどの患者を中心に診療した。一方で、地元の医療施設の充実にも力を注ぎ、山田孟・元市医師会長(故人)らと協力し、93年の市医療センター医師会病院の開院に貢献した。

 しかし、2001年、胃と肺にがんが見つかった。胃は1度の手術で治まったが、肺は切除手術や放射線治療などが必要となり、02年6月に閉院。だが、リウマチ患者らから存続を望む声も強かったため、同じ月から自宅近くの岩国病院で週3日の勤務を始めた。

 自分の治療もあったが、「がんは痛くないし、気持ちは元気いっぱい」と診療にあたり、04年からは「医師が足りない」と請われ、同医師会病院のリハビリテーション施設で外来担当医も合間にこなしている。

 がんは、06年に4度目のリンパ節切除をしてから、病巣は確認されていないという。今回の受賞で、「医師、行政、住民が一緒になって、岩国の医療のもっと充実を」という願いを改めて強くしている。

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