なぜか短命、がん化危険ないiPS細胞マウス

なぜか短命、がん化危険ないiPS細胞マウス

 がん化の危険のない安全な方法で作ったiPS細胞(新型万能細胞)から生まれたマウスを1年以上飼育すると、寿命より早く死ぬものが増えることが京都大学の山中伸弥教授らの研究でわかった。

 死亡率が高くなる理由は不明で、山中教授は「現時点ではiPS細胞の臨床応用には慎重な検討が必要」としている。19日広島市で開かれた日本再生医療学会で発表した。

 iPS細胞は、皮膚細胞にレトロウイルスで3~4種類の遺伝子を導入して作る方法が一般的。ただ、染色体が傷つくなどして、がん化しやすいのが欠点だった。山中教授らは、染色体に入らずに働くリング状遺伝子(プラスミド)に着目。これに4遺伝子を載せ、細胞に入れてマウスiPS細胞を作製。導入遺伝子が消え、安全だと考えられていた。

 ところが、このiPS細胞から生まれたマウスを飼育すると、70週目までに約30%が死んだ。通常のマウスの死亡率は20%程度で、明らかに寿命は短くなった。

 山中教授は「iPS細胞は性質がばらつく。このばらつきの原因をつかみ、今後4年間で安全な細胞を作る方法を突き止めたい」と話す。

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