ホスピスに動物セラピー

ホスピスに動物セラピー

病院内で患者が癒やしを求め、動物とふれあう「アニマルセラピー」の取り組みが、県立病院好生館(佐賀市水ケ江1丁目)の緩和ケア病棟(ホスピス)で行われている。病院は衛生面で動物の持ち込みは厳しく制限されるが、この病棟では動物と触れあえるため、入院患者から歓迎の声が上がっている。(伊豆丸展代)

 8日午後。市民団体「佐賀発いぬらいふねこらいふ」(服巻智子代表)のメンバーが、大型犬ゴールデンレトリバー1匹と小型犬トイプードル2匹を連れて病棟を訪れた。患者は約1時間、ベッドに横たわったり、車いすに乗ったりしたまま犬を触る。

 ホスピスに入院中の男性(81)はゴールデンレトリバーの頭をなで、「長年犬を飼っていたのでうれしい」と喜んだ。患者の家族にも好評で、別の女性患者の家族は「病室から出て、気分転換できる」と笑顔を見せた。

 衛生面に配慮し、訪問の24時間前に犬たちはシャンプーをする念の入れようだ。メンバーの角町美佐子さん(56)は昨夏から、飼い犬のメスのトイプードルを連れてこのセラピーに参加。「最初はホスピス病棟と聞いて、自分にできることがあるのかと不安な気持ちがあった。でも、来ると患者さんが喜んでくれるので続けたい」という。

 同病院は2012年度中に同市嘉瀬町に移転する。病院移転が決まった当初、ホスピスの医師や患者らは「3階に病棟を」と求めた。地面がすぐ見える安心感や、ベッドのまま3階の庭園に出られることなどが理由だった。高層階は「天国が近くなる」と嫌がる患者もいた。

 しかし、新病院では3階に手術室とICUを備える。万が一、動物が手術室に入り込む事態を避けるため「3階でのアニマルセラピーは許可できない」となった。感染病患者用のエレベーターを使って、ホスピスが設けられる8階まで動物を運び、セラピーを実施する予定だ。

 「動物のかわいらしさだけでなく、温かさにも患者は癒やされている」と服巻代表。ホスピスの小杉寿文医師は「月1回で良い影響が出ているか評価するのは難しいが、セラピーがあると声を掛けると、毎回病室から出てくる患者さんもおり、楽しみにしているようだ」と話す。

 4月以降は、現在ボランティアだけで行っているセラピー後のフィードバックの会議に医師らも参加し、より良いアニマルセラピーを行う方法を一緒に考えるという。

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