医療用かつら:低価格、がん患者ら社会復帰に励み 新潟「レリエンス」が開発 /新潟

医療用かつら:低価格、がん患者ら社会復帰に励み 新潟「レリエンス」が開発 /新潟

◇大手メーカー元社員・小林さん起業
 新潟市東区の医療用かつら企画・販売会社「レリエンス」が開発した低価格のかつらが、抗がん剤治療の副作用で髪の毛を失った女性らが社会復帰する際の励みになっている。【川畑さおり】

 ◇妹の話きっかけ
 同社社長、小林勝広さん(41)は大手かつらメーカー「アデランス」の元社員。12年間勤め、06年に退職。故郷の新潟に戻り、08年5月に同社を設立した。

 起業を志したのは約10年前、東京で看護師として働く妹(40)から聞いた話がきっかけだった。妹は当時、小児科で白血病の男児を担当。男児の両親から「治療費がかさみ、かつらを買ってあげる余裕もない」と苦しい胸の内を打ち明けられた。

 一般的にかつらの寿命は2年前後。大手メーカーのオーダーメード製品の価格は約60万~70万円。小林さんは「誰でも手に入れられるよう、もう少し安くできれば」と思った。おしゃれ用や男性用に比べ、医療用は需要が少なく、商品開発に力を入れている企業は少ない。そこで、低価格で医療用に特化したかつらを作ろうと考えた。

 ◇工場へ直接発注
 同社のかつらは、ほとんどがオーダーメード。頭の型をとり、髪の色、質、長さを決めて、中国の工場へ発注する。3~4週間で仕上がり、提携しているかつら専用美容室で、客の好みに応じてカットやパーマ、カラーリングをして完成させる。

 価格は18万8000~31万5000円で、大手メーカーの3分の1程度という。会社員時代の人脈を生かし、工場と直接取引するなどして低価格での提供を可能にしたという。

 客の7割が抗がん剤治療を受けている患者で、3割が円形脱毛症。10~70代の女性がほとんどだが、円形脱毛症の小中学生の男の子もいる。

 ◇人目気にせず外出
 抗がん剤治療を終えてから、頭全体に髪が約15センチ生えるまで1年半~2年かかるといわれており、治療後もかつらを必要とする人は多い。悪性リンパ腫で療養中の女性(51)は「社会復帰のためかつらは必要。地元の会社なので困った時にすぐ対応してくれる」と09年12月から同社のかつらを使用。5月から仕事に復帰する予定という。

 「人目を気にすることなく、外に出るきっかけになれば」と小林さん。同市中央区の県立がんセンター新潟病院で毎月第1月曜午前11時~午後2時に相談会を開いている。問い合わせは同社(025・278・9123)。

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