地雷撤去 命の限り がん転移と闘う相庭さん 福岡発NGO 山形で広める

地雷撤去 命の限り がん転移と闘う相庭さん 福岡発NGO 山形で広める

がんが発覚して5年。腎臓から肺、肝臓、肋骨(ろっこつ)へと転移した。入退院や手術を繰り返す。くじけそうになることもある。それでも、山形県酒田市の相庭(あいば)博さん(63)には「命ある限り」と思い定めている目標がある。カンボジアでの地雷撤去。福岡で立ち上がった非政府組織(NGO)の活動の輪を東北で広げる。

 山形の地元民放局で報道制作局長をしていた2005年2月、右腎臓がんと分かった。半年後に左肺に転移。「長くて3年」と覚悟した。放送局は退社。「残された命を何かに燃やしたい」と考え始めた。

 思い出したのは系列キー局が展開していた地雷ゼロキャンペーン。戦争や内戦で対人地雷が無数に埋められ、子どもたちを含め多くの人の命や手足を奪っていることは知っていた。インターネットで「カンボジア地雷撤去キャンペーン」(略称CMC)を探し出した。

 福岡市でイベント企画会社を営む大谷賢二さん(58)が12年前、一人で始めたCMC。相庭さんは「自分の目で実情を知りたい」と、カンボジアの地雷原などを見学するCMCのツアーに06、07年と参加した。最初の旅で「私で役に立つなら」と、東北事務局を買って出る考えを大谷さんに伝えた。

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 06―09年に山形県内で写真展を15回、講演を8回、映写会を2回。「100円で地雷原1平方メートルをきれいにでき、1万円前後で1人分の義足を提供できる」と訴えた。

 その間、がんは右肺、肝臓、肋骨などにも転移。昨年は4回、今年も1月に入院した。抗がん剤の副作用で体はだるい。身長175センチで体重は44キロ。闘病前から20キロ以上減った。

 苦しいときは、地雷で手や足を失ったカンボジアの子どもたちのことを考える。「成長過程にある子どもたちの痛みや苦しみを思えば、自分はもっと頑張れるはずだ」

 3年と思った命は6年目に入った。体力は落ちたが、それなりにできることはある。「労力のかかる写真展は無理でも、地雷撤去をテーマにした図書の朗読会なら可能ではないか。そして、東北の中心地である仙台市で何かしたい」と思う。

 2月、CMCの口座には相庭さんから活動資金として21万9147円の振り込みがあった。

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