子宮頸がんワクチン、4市町全額助成…栃木

子宮頸がんワクチン、4市町全額助成…栃木

学校で集団接種も
 20~30歳代の女性で増加している「子宮頸(けい)がん」の予防ワクチンが昨年末に発売されたことを受け、県内では、新年度からワクチン費用を全額助成する方針を打ち出す自治体が出始めた。

 しかし大田原市など県内4市町にとどまり、地域によって負担額に格差が出そうだ。

 子宮頸がんは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因で起きる。HPV感染後にワクチンを接種しても効果はあるが、性交渉を持つ前の10代前半のうちにワクチンを接種するのがより効果的とされる。接種は初回、1か月後、半年後と3回必要で、接種費用は医療施設によって異なり、1人当たり4万~6万円かかる。

 県内では、新年度から大田原市、下野市、日光市、那須町が全額助成する方針。このうち下野市は、小学6年の女児約300人分のワクチン費用1080万円を計上。「市ホームページで告知するほか、対象者に個別通知して接種率を上げたい」としている。大田原市や那須町では、接種率を上げるため、学校での集団接種を検討している。

 助成の方針がない市町からは「発売から間もないため、国や他県の動向を見たい」(鹿沼市)、「今年度に新型インフルエンザ対策で多額の出費があり、助成は財政的に厳しい」(那珂川町)と慎重な意見が出ている。

 県議会には、婦人団体「新日本婦人の会」県本部が、接種費用の助成を要望する意見書を国に提出するよう陳情を出した。しかし、15日の生活保健福祉委員会では、「接種費用を補助する場合、かなりの財政負担が必要」などの意見が出て、継続審査となった。

 ワクチンによる予防のほか、定期的にがん検診を受け、早期に発見することも重要となる。独協医大産婦人科の稲葉憲之教授は「ワクチンと定期的ながん検診で、子宮頸がんはほぼ100%防げる。接種率向上のためにも費用は公費負担するべきだ」と強調している。

 子宮頸がん 子宮の入り口付近にできるがん。性交渉で感染することが多く、生涯で7割以上の女性が感染する。潜伏期間は10~20年と長く、実際にがん化するのは1%前後。国内では年間約1万5000人が発症し、約2400人が死亡している。性交渉の低年齢化により、20歳代の発症率が急増している。

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