ご近所のお医者さん:/98 緩和ケア=木村秀幸副院長 /岡山

ご近所のお医者さん:/98 緩和ケア=木村秀幸副院長 /岡山

◇患者の心の整理が大切--岡山済生会総合病院(北区)木村秀幸副院長(62)
 がんは手術、抗がん剤、放射線で治療しますが、完治しない場合は治すための手だてがなくなる時が来ます。こうした現実は受け入れ難いものですが、緩和ケアでは、患者さんの気持ちが現実に近づくように支えます。痛みを緩和し、周囲もその人の死を肯定的にとらえ、満足して旅立っていけるようにお手伝いします。誰でも死ぬ時は何も持っていけません。自分の心の整理が大切ではないでしょうか。

 緩和ケアは症状のコントロールだけでなく、心のケアも行います。生まれてきた足跡をたどり、人生の総決算をするための手助けをします。医師、看護師ら専門家チームは、質問を投げかけて患者さんが心の問題に入っていく入り口を作ります。「病気の治療」と「病人を治す」のでは意味が異なります。緩和ケアは後者を重視します。治療法が尽き、何もできなくなった時でも、そばにいてコミュニケーションを取ることはできます。

 入院期間は個人差がありますが、平均して30日程度です。患者さんの痛みが取れ、家族やスタッフが打ち解けるには時間がかかります。亡くなる直前は外出も難しい状態になるので、やり残したことをやり遂げるには20~30日が必要です。自宅で最期を迎えたい方のため、短期入院により、在宅に必要な連携態勢を整えるケースにも対応しています。

 当院は98年9月、総合病院では中四国で初めて緩和ケア病棟をつくりました。治療しても治らないがん患者を、最期まで見捨てないようにしたいと考えたのです。緩和ケアはがんの終末期にだけ必要なものではなく、がんと診断された時から並行して始まります。自分自身多くのがん患者の手術をしてきた体験を通して、満足して旅立てるお手伝いをしたいと考えています。【椋田佳代】

  ◇

 緩和ケア病棟に立ち上げからかかわる。「家族や地域が力を取り戻し、助け合う関係を築きたい」。北区伊福町1の17の18。電話086・252・2211。

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