前立腺癌(がん)や乳癌に対する冷凍低温療法が有望

前立腺癌(がん)や乳癌に対する冷凍低温療法が有望

少数の患者において低温療法(cryotherapy)を使用し、乳癌(がん)と前立腺癌を凍らせて壊死させることに成功した2件の研究報告が、米フロリダ州タンパで開催された米国インターベンショナルラジオロジー(SIR)年次集会で発表された。これらの研究は、腫瘍を死滅させるために複数のプローブを使用し、磁気共鳴画像法(MRI)ガイド下で行った点で革新的であり、新世代の癌治療への有望な扉を開くものと見られている。

前立腺癌の研究は、米メイヨークリニック(ミネソタ州)のDavid A. Woodrum博士らが、前立腺切除後に癌が再発した4例を対象に実施。全例、外科手術と放射線療法を受けていた。同氏らは2例に冷凍アブレーション、他の2例に温熱療法を実施し、いずれも奏効した。MRIを用いて1~3個のプローブ(小さな針)を腫瘍内に挿入し、その後アブレーションを行った。

同氏によれば、放射線被爆リスクがないため、約6~10秒毎にその部位を連続撮影し、組織を観察できるという。画像法により正確さが増し、膀胱や尿道など隣接器官が損傷する可能性は低減した。米テキサスA&M健康科学センター医学部外科教授K. Scott Coffield博士は「MRIは超音波検査よりも悪性前立腺癌の良質な画像が得られることが示されており、有用かつ画期的。ただし、非常に小さい腫瘤では有効でない可能性がある」と述べている。

乳癌の研究は、米カルマノスKarmanos癌研究所/ウェイン州立大学(デトロイト)の研究者らが、乳癌の外科手術を拒否し、腫瘍を除去するために低温療法を施行した13人の女性を対象に実施。治療後の生検は陰性を示し、追加の外科手術は不要であり、乳房を温存できた。こちらもプローブを皮膚から挿入し、冷却ガスを送達し、癌を壊死させた。プローブは超音波のみ、または超音波とCTを併用して誘導。MRIスキャンと臨床検査にて追跡調査を行った。

別の専門家は「この種の治療法はこれまで殺傷範囲に問題があったが、複数のプローブを用いることによってそれを拡大できる。スマートなアイデアで、コンセプトも良いが、長期追跡調査を伴ったより大規模な研究を行う必要がある」と述べている

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